ロミオとロミオは永遠に / 恩田陸
舞台設定の面白さは恩田さんの最大の魅力と思っている。 趣味の悪い(良いともいうw)ノスタルジックTOKYOテーマパークみたいなことになってて、しかもパロディスパイスが効きまくっててニヤニヤしっぱなし。 そもそも日本人だけが新地球に移住させてもらえずに、地球に残って廃棄物処理をさせられてるって・・苦笑失笑。 でも読み進めると笑ってばかりもいられなくなるのだけれど。
他者を意識しずぎて自己不在に陥っていた日本人がぽつんと取り残された時、グローバルスタンダードを見失い、加えて未来を描けない環境下で、アイデンティティの崩壊、暴走を起こしている様子とか、それを目を輝かせて高み見物している新地球の人々とか・・ シラ〜っとこういう冷え冷えとした辛辣さが描かれてるんだけど、逆にこんな時代を健気に逞しく生きている少年たちは輝いていて捨てたもんじゃないなって。
そしてなにより、この作品から感じたのは20世紀へのオマージュ! 廃墟と化した未来の東京の街々から20世紀の喧騒が色鮮やかに立ち昇ってくる。 ずっと後世の人々から20世紀を生きたわたしたちは、どんな断罪を受けるんだろう・・なんてふと思うことがある。 物質至上主義の時代、地球に甘えきった時代、でも人間の歴史の中で多分決して避けては通れなかった時代のような気がして、そこにどうしようもない人間の性を感じずにはいられない。 そんな20世紀に対して諦観もあるのだろうけど、恩田さんの眼差しは温かい。


ロミオとロミオは永遠に 上
ロミオとロミオは永遠に 下
恩田 陸
早川書房 2006-07 (文庫)
関連作品いろいろ
★★
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