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源氏物語の時代 / 山本淳子
[副題:一条天皇と后たちのものがたり] 一条帝とその后であった定子中宮、彰子中宮の生き様を追い、定子中宮に仕えた清少納言と、彰子中宮に仕えた紫式部の胸中に迫り、作品が生み出された背景や作品に込められた深い味わいを検証する。
資料と学説のみに立脚したという本書に一貫して感じたのは“正統派”の香り。 裏読みや穿った見方は徹底的に排除されている。 この時代を描いた小説世界でけっこう遊んでしまったわたしには、毒のなさが逆に新鮮だったりした。 資料の表読みに徹していても、全く上滑りのようにならないのは、深く真摯に読み込んでおられる姿勢が真っ直ぐに伝わってくるからだろう。 特に「悲愁中宮」を読んで以来、わたしの中で失墜していた一条帝が眩いばかりに名誉回復してしまって、我ながら単純だよなぁ〜と思うものの、心はこの日を待ちわびていたのだと得心する思い^^
悲劇の真っ只中で、定子中宮の笑顔と中関白家の栄華を枕草子の中に懸命に残そうとした清少納言、一条帝と定子中宮の生涯を懸けた純愛と悲しい別離を多感な時期に胸に焼き付け、彰子中宮の直向さ健気さを傍で支えながら源氏物語の底流となる精神を育んでいった紫式部・・脚色なしの一条朝の再現の試みが見事に結実し、小説以上に美しく切ない物語となって胸に迫ってくるのだった。


源氏物語の時代 −一条天皇と后たちのものがたり−
山本 淳子
朝日新聞社出版局 2007-04 (単行本)
関連作品いろいろ
★★★
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