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優雅に叱責する自転車 / エドワード・ゴーリー
[柴田元幸 訳] ゴーリー三冊目なのだけど、これが最も複雑めいていてわけわからんw きょうだいが喧嘩していると、まさに“自転”する自転車が現れて、二人はそれに乗っかって旅に出る、という話。
原題は「The Epiplectic Bicycle」だそうで、この“epiplectic”なる単語には、“優雅な叱責によって説得しようとする”ほどの意味があるらしいのだけど、現在は使われなくなった昔の言葉なのだとか。 このタイトルに哲学的な意味があるのやらないのやら、もうその辺からして惹きつけられてしまう。
古典的な少年少女向け冒険物語のスタイルなのだけど、言ってみればそのパロディみたいな感じで、命からがらの大冒険なはずなのに、あまりに飄々と淡々とエピソードがすっ飛んでいくんだよね。 そんなこんないろいろありますので、どうぞ省略部分はお好きにご想像ください・・ってな調子で、実際に章が飛びっ飛びだったりする。 いや、それともこの意味不明ぶりを紐解く重要な鍵が省かれた章に隠されているとでも言うのだろうか・・
身につけてもいないアイテムが“失くした”と称して初めて登場したり、カブ畑だとなんでわかるのか状態のなんにもないカブ畑を通り過ぎたり、真っ暗だから何も聞こえない納屋に突入したり・・
弱すぎるワニがお気に入り^^ 別の本の中に、この自転車とワニがダンスを踊っている絵があるらしい。 表紙を見ると自転車ったらワニ救出してるし、やはり仲良しなのね♪ しかしこの表紙、答えがあるのかないのか判じ物じみていて暫く見つめ続けてしまいました。 ポーの大鴉みたいな鳥の存在感がグンと際立つ裏表紙の謎めきぶりもいい感じ。
全体に時空マジックが効いており、ラストはなんとも軽やかなカタストロフ。 ぶっきらぼうなシチュエーションの中に、儚さと薄ら怖さと可笑しみの、名状しがたい不可思議な余韻を刻んでいます。 毒を以て毒を制するように生きることの不条理をカタルシスに変える効用がゴーリー・ワールドにあるのは確かだと思う。


優雅に叱責する自転車
エドワード ゴーリー
河出書房新社 2000-12 (単行本)
関連作品いろいろ
★★★
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