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みだら英泉 / 皆川博子
皆川さんのエロさはやっぱり美しくて品がある。 江戸末期、歌川派と北斎という双璧の間で、色と酒に溺れながら妖しく陶酔的な独自の春画を描いたという渓斎英泉の物語。 ところが彼の人生となると凄絶な印象とはちょっと違ったかも。 皆川さんの筆からはどこか・・彼の弱さというのか真っ当さというのか・・そういうものが浮き上がっていたような。 突き放しているようで実は依存している妹たちとの関係とか、鬼になりきれない優しさみたいなものが一生ついてまわる。 でも彼にとってはそんな柵こそが、結果的には絵に注がれる精気そのものになっていたんだろうか。
江戸末期には、取締りの厳しさが行過ぎて、庶民は店頭に並ばない秘画を求めるようになり、当然、絵師も彫師も板元も秘画にエネルギーを注ぎ込み、陰に潜むことで春画はよりいっそう淫蕩に絢爛と人々を酔わせたという。 この時期の爛熟と退廃の彩を帯びた江戸の気配と、英泉の徒で自堕落で悲しい女はどうしたって似合いすぎる。 芝居の世界に田之助がいたように、浮世絵の世界に英泉ありという感じがする。 時代に導かれて咲いた大輪の変化花のような。


みだら英泉
皆川 博子
新潮社 1991-09 (文庫)
皆川博子さんの作品いろいろ
★★
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