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不幸な子供 / エドワード・ゴーリー
[柴田元幸 訳] 裕福な家に生まれ幸せに暮らしていた女の子のシャーロット・ソフィアの人生が一変し、不幸へと真っ逆さまに転がり落ちて、完璧なる不幸のどん底を極めてフィニッシュするような、ゴーリーならではの一種爽快(と言えなくもない)キワドイお話。
「小公女」に代表されるヴィウトリア朝風味な児童文学の定型をパロった作品で、ちょっとでも雑念が入ると、いつにも増して忽ち嫌な臭いを放つシロモノになりかねない世界なんじゃないかと懸念がよぎりもするわけなのだけど、苦労の跡も感じさせず完璧に(実は繊細に)やってのけてる印象。
解説によると、ゴーリーが直接モデルにしたのは、フランス映画「パリの子供」だそうだ。 映画は“死んだはずの父と再会を果たし、父に抱きしめられて終わる”らしいのだが、その筋書きを見事に踏襲した不幸ヴァージョンに仕上げているのが憎い。
どのページの絵にもトカゲのようなコウモリのような、悪魔の化身バレバレの小さい魔物が見え隠れしていて、シャーロット・ソフィアは此奴に魅入られてるので、絶対変更できない不幸の運命が確定しちゃってるのだ。 姿形が流動的で不気味テイスト盛り盛りな変幻自在の魔物を虫眼鏡の眼差しでいちいち探す作業を怠らず、読んでるあいだ中、怖い怖い怖い!とひたすら連呼してた。 若干嬉々としながら^^; だってそこはかとなくユーモラスなのだもの。 ゴシックやってるんですよみたいな空とぼけたノリが絶対あったでしょこれ。 ほらちゃんとゴシックでしょ? ね? と言わんばかりの表紙をずっと眺めているとクスッとなってしまうし。
感情移入させるツールは徹底して削ぎ落とし、目の前の状況とは裏腹に淡々としたテンションで、シンプルゆえにコミカルな言葉を紡ぎ、タブーを軽やかに踏み越えていく。 涼しい顔で・・


不幸な子供
エドワード ゴーリー
河出書房新社 2001-09 (文庫)
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★★★★★

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