キャッテゴーリー / エドワード・ゴーリー
1から50までの数字と、一定のヴァリエーションの小道具と一緒に50通りの決めポーズ(?)を披露する猫たち。 ただそれだけなのです。 それだけなのだけど、眺め続けているうちにじわじわ〜っと味わい深さが募ってきて、手放せない宝物のように思えてしまいます。 のほほぉ〜んとしたブサカワ風の猫たちは、ゴーリーの愛猫がモデルなんでしょうね。 足ばってんにしてお腹上にしてアンニュイ気に微睡んでいる風情など、猫好きならではの猫アルアルっぽくてクスッとなります。
モノクロームの薄暗い緻密な線画とは趣きの違う明るいカラー画です。 いつもの言葉遊び的な文章も添えられておらず、絵だけで構成されているので、絵本というより画集に近いかというと一概にそうとも言えず、あるやなしやの淡いストーリー性が見え隠れしてそうな、してなさそうな・・ ゴーリー・ワールドの不思議さが詰まっていることに違いはありません。
マリン・ルッキングな風合いで全体が淡く彩色されています。 凪いだ海、ボート、岩、砂浜、船出を見送る紙テープ、荷物、手紙、桟橋? 埠頭? 甲板? 船梯子? 海を見下ろす丘の墓地・・? 潮騒の音が聞こえてきそうなアイテムの中に、一輪車や壺や墓標などゴーリーらしいアイテムも混ざっていて、そこに縞シャツを着た船乗りチックな猫たちが、やけに長閑に、あるいは曲芸師もかくやというキワキワな一瞬のポーズで佇んでいたりして。 潮の香りを運ぶ風がさわさわと吹いていそうな・・ なぜかそこはかとなく郷愁を唆るシチュエーションなのです。 でもゴーリーがやってるからメランコリーのパロディかなって思えてしまうし、実際にそうだからお茶目。 とぼけた顔して何してるのw みたいな。
しましまシャツがデフォなんだけど、中にはしましまマフラーをなびかせてる猫や、一匹だけしましまタイツの猫がいて笑った。 ページをめくるに連れ、あれ? どこかで見たな・・って感覚に。 道具、縞シャツの色、猫たちのポーズ、数字の書体・・ 様々な分類法で何通りにもカテゴライズできそうな、パターン化されてるような、されてないような、似て非なる絵面の組み合わせが既視感を擽るのです。
表紙は“CATEGORY”のEをRとYの間に移動させて“CAT GOREY”に変えようとしてる猫二匹。 タイトルの「キャッテゴーリー」は、“カテゴリー”と“キャット ゴーリー”の中間をとった感じの造語だろうか。 原書もこの読み(音?)なのかな、たぶん。
ゆったりとした時間の中に漂う仄かな内面性がキラッとしていて、既読作品では「蒼い時」に通ずるものがあったかなぁ。 本書の猫と「蒼い時」の犬が共演してる「Cats & Dogs」というポストカードセットがあって、そっちでは犬たちが猫の横しましまカラーシャツ仕様に合わせた縦しましまカラーシャツに着替えてるのですよ。 可愛すぎて欲しすぎる><。
一般の数字やローマ数字や英語表記の中に一つだけ混ざる漢数字の“五”! しかもこれ絵面が枯山水!(ゴーリーの大好きな竜安寺のイメージかな?) 石庭の石の一つになりきっちゃった猫さんが、白砂の波間に神妙な風情で佇んでる和テイストなのだからテンション上がらずにおれません^^ やはりこの一枚が依怙贔屓のお気に入り♪ 「蒼い時」の“カンパンヨー・イス”のページと一緒に飾りたいw


キャッテゴーリー
エドワード ゴーリー
河出書房新社 2003-10 (単行本)
関連作品いろいろ
★★★
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