題のない本 / エドワード・ゴーリー
庭にけったいな五匹五様の魔物(蟲の精霊?)が一匹ずつ順番にジャーン!と登場して、陽気に(?)蠢いて、いそいそとまた順番に退場していく。 その一部始終を家の窓辺から坊やが淡々と目撃しているだけのことなんだけど、そのまた一部始終を固定カメラでとらえているという構図。
蟲たちが繰り広げる気ままな饗宴、まんざらでもないレビュー・・だがなんだかわからんが、“激しくシュール”な世界なのです。 みんなが舞台に出揃って輪になってノリノリで踊っていると、隕石のお化けみたいなのが空から闖入し、その爆風?妖気?を食らってズッコケるところがクライマックスみたくなってて、なんだったんだあれはw でも全て想定内の舞台演出感がなきにしもあらずで楽しい。 いやもう、最初から最後まで意味不明すぎて謎すぎなんだけど、基本成分は多分、ドタバタナンセンス喜劇ショーかな。 妙ちきりんでリズミカルで奇々怪々で可愛いのだ。 ハイ集合〜!おっとっとハイ解散〜!てな感じで^^; 登場し退場するマイ・スペースがそれぞれに決まってるんだよね。ふふ。
創作オノマトペみたいな短いフレーズの押韻チックな造語(?)が、一ページの光景を一言で表していて、その連なりが変てこなわらべ唄みたい。 この音の響きが世界観を作ってるとさえ言えると思う。 日本語なら片仮名ではなくまさに平仮名の響き。 一回、パラパラアニメで見てみたいなぁ。 もちろん音声つきで。 その仕上がり具合を思い描いてみるとニマニマしてしまいます。 雲の動き、木や葉叢の揺れ、塀に差す影など、同じアングルの中でも時間経過とともに細かな画面構成の全てが移ろっているのも体感してみたい。
ゴーリー印の惚けた顔した無表情な坊やの冷めた目線がいい味を醸すんだよね。 蟲たちとのテンションの差がもうね。 反応してあげたら?的なw シンプルだから強い、もう絶対これしかあり得ないという“表情”になっている。 最終ページの“ふー。”の、そして誰もいなくなった感と、すべて世は事もなし感と、つわものどもが夢のあと感が綯交ざったような、しらばっくれて茫洋とした余韻が堪らないのです。 表紙と裏表紙は更にそれ以前とそれ以後を表し、一連の時間軸に組み込まれていそうです。


題のない本
エドワード ゴーリー
河出書房新社 2004-11 (単行本)
関連作品いろいろ
★★★★
| comments(0) | trackbacks(0) |
C O M M E N T








http://favorite-book.jugem.jp/trackback/1050