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鍵の掛った男 / 有栖川有栖
中之島にある小さなホテルに5年間住み続けた男が自室のスイートルームで死んだ。警察は自殺と断定したが、居合わせた女性作家は納得がいかず、火村&アリスに捜査を依頼する。 謎に包まれた孤独な男のベールが一枚また一枚と剥がされていく・・
次々にバンバン殺人が起こることもなく、あっと驚くようなトリックがかまされるわけでなく、1人の死んでしまった世捨人に焦点を絞り、その謎にじっくりと向き合い、破綻のないよう解き明かしていくいぶし銀のような本格ミステリでした。 人間ドラマとしてはやや大味感が否めなかったかなぁ。 今のところ作家アリスシリーズでは最長編とのことでなかなかに長い。
中盤までは、ホテル界隈の歴史的地理的景観を交えながらコツコツとしたアリスの単独捜査(材料集め)が続くのですが、中盤以降参戦の火村先生ペースになると、俄然、展開の速さ鋭さが増して、切り替えスイッチが鮮やかです。
館系ではないけれど、都会のこじんまりとした清閑なホテルが舞台で、いい感じに唆られるものがありました。 有栖川さんの街情(?)的な道草と、地味だけど丹念な謎解きがお好きなら、夜長に悠々緩々と読むのが吉です♪

<追記>
作中にも言及がありますが、本作は、ホテル暮らしで半生を過ごしたアメリカ人作家、コーネル・ウールリッチを意識した作品になっています。
ウールリッチは代表作「幻の女」を遺した“サスペンスの詩人”と呼ばれる作家で、1968年にホテルの一室で急逝。 死後、巨額の富を遺していたことが明らかとなりますが、遺族は一人もなく、葬儀に参列したのは5人だったそうです。


鍵の掛かった男
有栖川有栖
幻冬舎 2015-10
(単行本)

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