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ローズマリーの赤ちゃん / アイラ・レヴィン
[高橋泰邦 訳] 1960年代半ばのニューヨーク。 ある新婚カップルが、いわくある高級マンションの一室に新居を構えるところから物語が動き始める。
ゴシックサスペンスって言うのかモダンホラーって言うのか。 古風な訳のためかもしれないけど、むっちゃ上品でエレガント。 そして幸せな日常が徐々に徐々に歪んでいく空気感の醸成がやばい。 疑惑の種を一つ、また一つと蒔きながら、違和感が培養されていく。 主人公のローズマリーの揺れ乱れる心理に寄り添い、じりじりと追い詰められていく精神的恐怖を存分に体感できる。 一見、マタニティブルーと見分けづらいところが巧いんだよなぁ。 内装や調度品の緻密な描写が部屋を満たし、一段とニューロティック。
神の不在からサタニズムへと傾斜する社会のモードを強烈に意識させられるし、そこはメインテーマとしてどっぷりハマれるのだけど、それとは別に、生理的に拒否りたくなる何かがあって、でもそれを説明できずにいた。 もしかすると禁忌的な(語弊を恐れず言えば差別的な)手触りが漠として底流していたからかもしれないと、訳者のあとがきを読んで府に落ちる気がしてしまった。 今ではちょっと憚られるような微かな暗い色味。
ラストはどう読めばいいんだろう。 以下ネタバレです。 ローズマリーが悪魔側に取り込まれていくと見るべきか、母の慈愛を得た悪魔の子に微かな光が差したと見るべきか。 たぶん、そのどちらでもなく、悪魔の子はどこまでも悪魔の子であり、ローズマリーはどこまでも私の可愛い子は悪魔じゃないと思い、母と子は永遠にすれ違い続けるのではないかという翳りある予感が悲しい。 ストーリーの構成はシンプルだけど余韻もいい。



ローズマリーの赤ちゃん
アイラ・レヴィン
出版社 1972-01
(文庫)
★★★
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