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千年の黙 / 森谷明子
[副題:異本源氏物語] 源氏物語を紐解く文学史ミステリと本格ミステリが綺麗に融合している。 因みに探偵は紫式部。
「桐壺」の帖と「若紫」の帖の間に「かかやく日の宮」という帖が存在したかもしれないという仮説があるが、その解釈は、まだ謎に包まれている。 「桐壺」から「若紫」へ進むと、物語が少し飛躍しているようにも感じられる部分があると言われていることと、「雲隠」という、タイトルだけの帖(光源氏が亡くなったことを暗示させる帖)があるということ。 源氏物語に関しては、この2点を把握していれば、通読していなくても、それほど支障なく楽しめるのではないかと思う。 逆にいえば、この2点だけは把握した上で読まないと文学史ミステリのお楽しみが空回りしてしまうので、味わいも半減してしまう。 さらに、一条朝の時代を軽く理解していると、物語の時代背景がより鮮やかに垣間見れてますます美味しい。
などと書くと、ちょっと取っつき難い作品かなとも思えてくるけど、素直に面白かった。 古典への造詣の深さと、推理小説のための丹念なプロットが、とても綺麗に調和され、平安の世の人々の心模様が、鮮やかに浮かび上がる。 今でこそ、揺るぎない古典の名作として名高き「源氏物語」が、当時は権力とは対極にあって、宮仕えの人々がワクワクドキドキ熱中して読んでいた娯楽小説であったことが、なんだか嬉しい。 よく、生き残ってくれたなぁーと、しみじみとしてしまった。


千年の沈黙 −異本源氏物語−
森谷 明子
東京創元社 2003-10 (単行本)
関連作品いろいろ
★★★
| comments(2) | trackbacks(1) |
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C O M M E N T
susuさん、こんばんは♪
とても丁寧に描かれている本でしたね。
源氏物語や平安時代について、知っている方が楽しめるけれど、それほど詳しくなくても十分に味わえるものでした。
そして、ほんとによく千年も前の物語が生き残ったものです。かな文字物語をこばかにしていた男性たちがこぞってはまっていくのが笑えましたが、それだけの魅力があったからこそ大事に受け継がれてきたのですね。
| 香桑 | 2009/07/01 |

香桑さん、こんばんは♪
わぁーこれ、お読みになったのですねー!
ちょっと通好みかな? という向きはあるんですけど、
一度ページを開いたら、容易に入っていけるような優しい空気がありましたよね。

ほんと、現代人のわたしたちが「源氏物語」(の現代語訳ですが;;)を
気軽に手に取れることの幸せを伝えてくれる作品でもありました。
凄い新人さん来たーって思ったものでした^^

これを読んで“かがやく日の宮”の存在が気になって気になって。
素人ながら丸谷才一さんに手を出し、撃沈したほろ苦い記憶があります。
(リベンジはいつか必ず! 懲りません・・)

そういえば、続編が出るとか・・小耳に挟みました。
待ち遠しいです。
| susu | 2009/07/01 |









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