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朱紋様 / 皆川博子
皆川さんの時代ものは“時代小説ありき”というのではなくて、人間の狂気や凄艶な様を追い続けているうち、たまたま今回の舞台は江戸となった・・というような印象を受ける。 特にこの作品集を読んで強くそんな面を感じたように思う。 収録されている11篇の短篇は、職人的なイメージのモチーフで統一されていて、どんなにエロティックでも、自堕落でも、嗜虐的でも、ダーティでも、やっぱり美しくて品がある。
鬘職人、火消し鳶、歌舞伎の座元、狂言作家、漆職人、戯作者、人形職人、遊女、絵師・・ 実在の人物など配置しながら、人々の日常ではなく、踏み迷った歪みの世界を映し出し、情念のひと揺らぎを時に激しく、時に淡く奏でて見せてくれる。 よくよく考えるとほぼ幻想領域ではないのかもしれないけれど、妖美で陶酔的な描写のせいなのか、限りなく幻影的で、幻想小説を読んでいたかのような錯覚(?)に陥っていた。
今までお書きになった作品との関連要素にも萌え。 わたしがわかったのは3篇だけで、他にもあるのかないのかは不明。 「雨夜叉」は「花櫓」の外伝的作品(鬘職人の友九郎の話)で、「影かくし」は同じく「花櫓」のダークなパロディという感じだし、「みぞれ橋」は「写楽」の視点を変えたサイドストーリーという趣きになっている。 皆川さんの江戸意匠ものをいろいろ読んで、ご褒美的に本作品集を楽しむのもよきかな。


朱紋様
皆川 博子
朝日新聞社 1998-11 (単行本)
皆川博子さんの作品いろいろ

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