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横浜幻灯館 / 山崎洋子
[副題:俥屋おりん事件帳] 20世紀の幕開け間近な明治30年代、開港以来、文明開化に活気付く、異国情緒豊かな港町横浜の光と影を映し出した連作ミステリ。
宵闇に浮かび上がるガス灯、赤レンガ造りのゲーテー座に集う燕尾服や夜会服で着飾った異人たち、外人商館やホテルの立ち並ぶ海岸通り、土蔵造りの大店が軒を連ねる関内馬車道、舶来品や外国人の好む磁器や漆器を取り揃えた弁天通りなどの高級商店街、人力車、自動車、馬車が往来し、日本人、西洋人、清国人、インド人が行き交うエキゾチックタウン横浜。 しかしそんな華やぎの一方では、成らず者外国人の魔窟であるブラッドタウンの存在や、裏路地の貧困街で喘ぐ人々、女郎や囲われ女に身を落とす女性たち、不平等条約に端を発した日本人と西洋人の微妙な摩擦など、光の裏に張り付く暗い影が、事件の種を無数に孕んでいるかのよう・・
主人公おりんは俥屋の一人娘。 三つ編みをマーガレット巻きにして海老茶の袴を穿いて、フェリス女学校に通っている女学生でありながら、時には、股引はんてん向こう鉢巻姿の俥引きにも変身して家業を手伝う快活な乙女。 全編通して仄かなロマンスのお相手となるのが、オリエンタルホテルのチーフコックを務める亜麻色の髪の混血の美青年。 ついつい「はいからさんが通る」のような、少コミ的な絵面が頭を駆け巡ってしまいトキメキます♪ そんな2人が巻き込まれる数々の事件を解決していくというスタイル。 短篇としては、本格とハードボイルドと時代を映した社会派ミステリとが渾然一体となった感じでしっかりと組み立てられているし、緩やかな長篇としては、ラヴの行方とおりんの成長物語が楽しめます。 そしてやはりなんといっても背景となる社会が丹念に描き込まれているのが素晴らしかった〜 生き生きと瑞々しい時代の息吹を感じることができました。


横浜幻灯館 −俥屋おりん事件帳−
山崎 洋子
集英社 2000-04 (文庫)
山崎洋子さんの作品いろいろ
★★★
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