いっぺんさん / 朱川湊人
朱川さんの作品では「花まんま」と「かたみ歌」が好きなんだけど、この作品もその系譜(?)に近いノスタルジックホラーな短篇集。 でも表題作以外はヒンヤリしたり、ズシンと重かったり、かなりダーク路線なイメージ。
舞台が昭和と現代と半々くらいなんだけど、モチーフが民話っぽいっていうか、現代が舞台の作品でも土俗的な磁場が作用している感じなので、なんともいえないジメッとした暗〜い空気が漂う。 これ、けっこう悪くなくて、朱川さんでなきゃ、醸し出せない空気なんじゃないかと思う。 不思議と何処かで聞いたことがあるような、ないような・・という気分にさせられて、もうその時点で都市伝説的な吸引力に引っ張られてしまってるのかもしれなくて・・
一番好きなのは、やっぱり表題作の「いっぺんさん」かなぁ。 好きか?と問われたらこれを挙げるしかないというか。 でも、こういう珠玉の感動作をきちんと書ける人が、あまり感動に走らないで仕上げてくる2作目以降、逆に凄いなぁ〜って、ちょっと思ったりした。 意外と「コドモノクニ」も好き。 神隠しをイメージしたようなオムニバスなんだけれど、子供の無垢な心と喪失感が、ただ飄々と漂っている感じがよかった。


いっぺんさん
朱川 湊人
実業之日本社 2007-08 (単行本)
関連作品いろいろ

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七夕に『いっぺんさん」の朗読会を致します。
作品をお好きな方に、是非ご興味を持って頂きたく、唐突な書き込みをお許しください。
http://katarito.blog108.fc2.com/

ご来場いただけましたら、とっても光栄です。
| katarito | 2012/06/26 |

情報ありがとうございます。
ご活動の内容、HPで拝見させていただきました。
是非一度、公演を聴きに行きたいです♪
| susu | 2012/06/28 |









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