※ ネタバレご注意を ※

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - |
消えずの行灯 / 誉田龍一
[副題:本所七不思議捕物帖] どの事件も“本所七不思議”と絡めているのだけれど、不思議の裏には絶対に絡繰りがあるはずだ! という信念で、江戸の怪しさを吹き飛ばすような主人公たちが活躍する捕物連作集。
時は幕末の江戸本所。 黒船に大砲を積んでペルリがやってきた年の物語。 この頃には蘭学を志す若者も多く、人々は文明に科学に目覚め始めている一方、先の読めない世の中で、辻斬りや蔵破りや贋金作りが横行したり、治安は相当に乱れていて、明と暗とがごっちゃに混ざり合った、エネルギッシュな時代の空気が伝わってくる感じ。
ミステリの謎解きと同時に、毎回ゲストさん(若かりし日のアノ人やコノ人)が登場して、その人物がいったい後の誰なのか、最後に明かされるという趣向が楽しかった。 そもそもこの主人公グループ(武家の次男坊と町人の4人組)の中にもびっくりするような人たちが混ざっている。 ちょっと大盤振る舞い(笑) 人物がかなり大味な感じがしてしまったことと、ふとした言葉遣いや描写が不自然(江戸っぽくない)のが惜しいなぁと思ったけれど、幕末という舞台と七不思議に科学を当てるという趣向がとてもマッチしていたし、有名人の飛び入り参加も楽しませてもらった。

以下、備忘録です。 本書で紹介されている“本所七不思議”。
実は七つだけではなくてもっと沢山あるらしく、説もこれまたごっそりとあるようで、以下はほんの1バージョンということです。
【消えずの行灯】 南割下水の近くに出ている二八蕎麦の屋台には人がいないのに、いつも行灯の明かりだけが点いている。 その明かりが消えると縁起が悪く、消した者には祟りがあるという。
【送り提灯】 夜、道に迷うと提灯が現れて道案内をする。 前から送るのは狸が化けた悪意のない良い提灯、後ろから送るのは狐が化けた悪意のある悪い提灯。 ちゃんと送り届けてもらったら、御礼に握り飯を作って道端に供える。
【足洗い屋敷】 旗本のお屋敷で、夜中寝ていると突然に“足を洗え”といいながら、大きな血だらけの足が天井を突き破って下りてくる。
【片葉の芦】 駒留橋のかかる堀近くには、茎の片側にしか葉のつかない芦ばかり生える時がある。 その昔、留蔵という男が駒という娘を殺し、片手片足を切り落として堀に投げ込んだ事件の祟りだという。 橋の名前もこの男女の名に由来する。
【落葉なしの椎】 松浦豊後守の上屋敷には立派な椎の木があるが、いつ見ても庭に落葉がない。
【置いてけ堀】 堀縁で釣りをしていると、どこからともなく“置いてけ、置いてけ”いう恐ろしい声が聞こえてくる。 釣り人が逃げ出すと、魚籠の中の釣り上げた魚がなくなっている。 魚を無理に持ち帰ろうとする釣り人は、堀に引きずり込まれる。
【馬鹿囃子】 夜中にお囃子が聞こえてくるが、音だけで、近くで宴を開いているところはない。


消えずの行灯 −本所七不思議捕物帖−
誉田 龍一
双葉社 2007-10 (単行本)
関連作品いろいろ
| comments(0) | trackbacks(2) |
スポンサーサイト
| - | - |
C O M M E N T








トラックバック機能は終了しました。
消えずの行灯/誉田龍一
第28回小説推理新人賞受賞の表題作ほか、本所七不思議をモチーフにした時代ミステリ7編を収める連作短編集。 消えずの行灯―本所七不思議...
| 黒猫の隠れ処 | 2008/03/31 |
[本][お知らせ][仕事][歴史]『なにわ春風堂』12月5日三巻同時発売!
ようやくこのブログで、新刊の告知ができます。 『なにわ春風堂』(くもん出版) が12月5日発売されます。 しかも、何と 三巻同時発売! 各巻のタイトルは 1.なぞの金まき男 2.首だけのお化けが笑う 3.炎をこえて生きてゆけ で、それぞれに四話ずつ 入っています。 小
| 龍一日記 〜誉田龍一公式ブログ〜 | 2008/11/25 |