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コルセット / 姫野カオルコ
上流階級社会の人々の愛のかたちを描いた、ちょっとアダルトな作品。 でもやっぱり姫野さんらしい瑞々しさが漂っていました。
多視点ものっていうんでしょうか。 限られた登場人物が一人称を交代しながら連作短篇集を構成していくパターン。 こういうの無性に好き^^ さらに前話のラストは次話のトップへとリンクしながら、最終話はまた1話目へと連なるという、ロンド形式に四篇を配置する仕掛けと、“藤沢さん”というキーパーソン・・というよりもキーネームが各章に登場し、読者を軽く幻惑させてくれる。
登場人物たちは、わたしにとって一生お付き合いすることのない別世界の人々。 でも紳士&淑女たちの生活の一端を垣間見たいような欲求はムズムズしていたりするわけで・・そんな下世話な好奇心を美しく野蛮に満たしてくれるようなお話でもあったかも。 プライドと羞恥、嗜虐と被虐、倒錯的な性戯・・優雅な諦念の中に埋没しきれない精神性が発散される刹那の邪香のようなものが詰まっているのに、それすらも何処か・・きちんとした約束事に守られ、均衡が保たれ、洗練されているかのように映る。 “型を崩さない”ということが、わたしたちの“お金を稼ぐ”ということと同義語であるらしいスノビッシュな人々の怠惰な葛藤や静かな憂鬱。 どの物語からも、そんな“コルセット”を少しだけ擦り抜けてしまった一瞬の想いが、凄く凄くピュアに描かれていたんじゃないかと、わたしには思えたのだけれど。


コルセット
姫野 カオルコ
新潮社 2006-09 (単行本)
関連作品いろいろ
★★
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