※ ネタバレご注意を ※

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - |
雨の塔 / 宮木あや子
舞台設定が恩田陸さんの「麦の海に沈む果実」みたいで、こういう世界は大好き。 淀んだ空、灰色の海、岩壁に打ちつける波、港町・・ 北陸の方のイメージなんだけど、どうなのでしょう。
陶器の人形のような4人の美少女のみで繰り広げられる閉ざされた別世界。 痛々しさというよりは、怠惰な憂鬱っぽいのかなぁ〜 いや、それよりも読後感は“怖い”だったかも。 ネガ写真を観ているような不穏な気配がぞわぞわとなかなか去ってくれなかったのです。
読んでる途中、頽廃の香りや気だる感は、もっと人間に深みが出るお年頃でないと難しいんじゃないかってチラっと思ったんだけど、さらに読んでいると、なんだろう・・このチグハグな感じ? 玩具めいたチープさというか、ヒロイニズムに酔いしれているような甘々ちゃん的な底の浅さが、かえって少女期特有の魅力を引き出しているのかなぁ〜なんて思ってしまったりして・・
青空の写真を切り取ってコラージュして壁に貼っている少女がいて、偽物の青空が壁を侵食していくような怖さっていうか、境界線上で綱渡りをしているような危うげな感じなのだけれど、でも全てが薄っぺらいんだよね。 おそらくは確信犯的に。 このアンバランス感、壊れ方が妙に怖いっていうか、それよりのっぺりと病んでるっていうのかな。 そこに何故か惹き込まれてしまうものがあるような。
食生活の描写が結構出てくるんだけど、ケーキかお菓子か冷凍食品。 あと煙草。 煙草も苦さというより甘さ。 上手く言えないんだけど、背景のゴシック的なゴージャスさと少女たちの希薄さが相俟って、レプリカめいた耽美さが少女小説としてなんともいえないムードを醸し出している感じ。 そしてやはり折々の描写が感覚的で綺麗。 宮木さん、やっぱり只者じゃないかも。


雨の塔
宮木 あや子
集英社 2007-11 (単行本)
関連作品いろいろ

| comments(2) | trackbacks(1) |
スポンサーサイト
| - | - |
C O M M E N T
こんばんは。
先日はコメント、トラックバックありがとうございました。
耽美や倦怠、失意は感じましたが上手く書けなくて…。
チグハグな感じから、のっぺりと病んでるっていう表現がピッタリで、腑に落ちた気がしました。

トラックバックさせていただきました。
| 藍色 | 2008/04/12 |

藍色さん、こんにちわ。
こちらこそ、ご訪問頂きありがとうございます。
掴めるようで掴めないような・・微妙な空気でしたよねぇ。
けっこうその辺り、狙ってたんじゃないかって、勘繰ってみたんですが、どうなんでしょうか^^;
藍色さんからもオススメ頂いた「白蝶花」、そろそろ図書館の順番が回ってきそうです♪ 楽しみ〜v
| susu | 2008/04/12 |









トラックバック機能は終了しました。
雨の塔 宮木あや子
装画は鳩山郁子。装丁は柳川貴代+Fragment。書き下ろし。 特別な全寮制の学校に幽閉された四人の少女―矢咲、小津、三島、都岡の物語。 買い...
| 粋な提案 | 2008/04/12 |