あやし / 宮部みゆき
これは再読本。 久しぶりの宮部さん。 江戸幻想怪奇作品集。 「幻色江戸ごよみ」など、宮部作品のこの分野が一番好きなわたしとしては、また書いていただきたい。 新刊を“首を長〜くして”待ってます^^
やっぱり読ませるなぁ。 グワシと掴まれる。 どれも生粋のジャパネスクホラーといった仕上がりなのだけれど、解説の東雅夫さんによると、宮部さんは欧米の怪奇小説をこよなく愛しておられるそうで、その辺りからインスパイアされていたりするらしい。 へぇ〜。 “人も鬼、鬼も人”といった日本的な情念の深さや哀切感が染み渡っていて、それをすっぽりと江戸情緒が包み込んでいて、えもいわれぬ“怪”の風情。 物語模様の染め手拭いで手首を結んだ男女が川に身を投げる“手拭心中”のような湿度感や、貧しくてもチャキチャキ働く奉公人たちの軽やかさや、陰と陽の針が激しく揺れ動く江戸庶民の暮らしぶりがビビットに息衝いていたと思う。
個々のあらすじなどすっかり抜けていたんだけど、読んでるとジワジワと思い出してくる。 やっぱり「安達家の鬼」が一番好き。 名作です。 「時雨鬼」や「布団部屋」も味わい深い。 ヒューマニズム的色彩が弱めの「灰神楽」や「蜆塚」のぞわりとした余韻も個人的には好き。
今回読んでふと思ったんだけど、もしかして政五郎親分って「ぼんくら」などに出てきた岡っ引と同一人物だったりして? あちらでも確か、ちょっと訳アリな過去を持ってたような。


あやし
宮部 みゆき
角川書店 2003-04 (文庫)
関連作品いろいろ
★★★★
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