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陰陽師 飛天ノ巻 / 夢枕獏
陰陽師再読企画、第2弾。 戻ってきたくなくなりますねぇ。 ため息出ちゃいます。 晴明と博雅の掛け合いなんて、もうこれさぁ〜 じゃれ合ってるでしょ! って思ったら、獏さんが本文中で書いちゃってました^^; じゃぁ、わたしは“イチャついてる”って書いちゃうよ。ふふ♪ だってそう見えるんだもの。
第二話の濡れ縁の場面では、唐土渡りの葡萄酒を瑠璃の盃で酌み交わしていたり、藤の精、木犀の精、萩の精・・四季折々の美しい式神たちがこの巻には勢揃いしていました。
「鬼小町」は、能楽の「卒塔婆小町」へのオマージュなのでしょうか。 激しく渦巻く桜吹雪の只中で、狂い踊る鬼の姿を描くラストシーンは、あまりに鮮烈。 なんか・・能っぽいですよね。 ゾクゾクします。 この巻の中でも最も印象的な場面。
今昔物語中の逸話の後日談のような「陀羅尼仙」も好きでした。 人の業の深さが哀れであり、だからこそ無性に愛おしくなります。
「露と答えて」もよかった。 ある意味、番外編・・っていうか、ちょっと毛色が違う作品ですが。
白玉か何ぞと人の問ひし時露と答へて消えなましものを
「伊勢物語」の中に出てくる、この非常に業平的な和歌とその裏の真相が、ちょっとした事件のヒントになっています。 宮廷サロンの風雅の道は実に奥深いのです。 博雅などはちょっとタジタジ気味なんだけど、業平的な漢がやや苦手なわたしには、博雅の大らかさは、何にも代え難い宝のように思えてしまうのです。
今回の巻では、博雅像を探る試みにページが割かれています。 今昔物語の中には、意外と博雅の逸話は2つしかなかったのですね。 “博雅が生まれた時、天に楽の音が響いた”とか、博雅の奏でる葉二(鬼と交換したと言われる高名な横笛)の音色によって、人や鬼や天地を感応させる数々の逸話は、「続教訓抄」「古今著聞集」「十訓抄」などから拾い集められたものでした。 特に獏さんが注目しているのは、自分の稀有な才能に対して博雅という漢、相当に無頓着なのではないかと思えるところ。 存在そのものが、和みであり癒しであり、まるで天衣無縫のような人物なのです。 獏さんオリジナルの朴直でお人好しで可愛らしい博雅と無理なくシンクロして見えてくる幸せよ・・


陰陽師 飛天ノ巻
夢枕 獏
文藝春秋 1998-11 (文庫)
関連作品いろいろ
★★★★★
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