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おとぎ話の生物学 / 蓮実香佑
[副題:森のキノコはなぜ水玉模様なのか?] おとぎ話や昔話に隠された真実や可能性を紐解いていくサイエンス・エッセイ。 桃太郎、浦島太郎、ウサギとカメ、白雪姫、かぐや姫、かちかち山、舌切り雀、アリとキリギリス、ジャックと豆の木などなど、おとぎ話の中に詰まった“なぜ?”への名解答続出で、目からウロコ。 著者は農学博士なのだそうですが、文章が平易で読みやすく解りやすく、素人の知的好奇心を気持ちよく満たしてくれる良書です。 非常に読み口がよかったです。
動植物の生態がこんな昔話の中で、こんな風に描かれていますよ〜っていう、生物学的な解釈が中心ですが、昔話の背景とか、そこに込められている暗示的なものとか・・文化人類学や民俗学的な方向へ繋がっていく考察が印象深かったです。
一番心に残ったのは「三匹の子豚」から脱線していく日本オオカミの話。 オオカミと共存していた昔の日本人の姿は、あぁ、これは「遠野物語」の世界観だなぁ〜としんみり読んでしまったのですが、自国の文化を捨て去ろうとせんばかりに盲進していた維新以後の一時代の中で、日本オオカミは生き延びることを許されなかったのですね。 森羅万象に神が宿ると考え、八百万の神々と共に暮らしてきた日本の地に“大神”がもういないというのは、なんだか皮肉です・・ 
あと、興味深かったのは、鳥の鳴き声を言葉で表現する“聞きなし”のように、音を言葉に置き換える特技(?)が日本人にはあるみたいですねぇ。 昔、琴を習っていた時に“ちんとんしゃん”とか“つるつるてん”みたいな感じで音を表現していたのを思い出しました。 なんでも日本人は左脳で、欧米人は右脳で音を聴いているらしい。 つまり日本人は言語として、欧米人はイメージとして音を捉える傾向があるんですって。 日本語って擬態語が異様に発達してるというのとも関係ありそう? 個人的には音楽だったらやっぱりイメージで聴きたいなぁ〜 そういう力が弱いのかと思うとちょっとしょんぼりです^^; でも昔の日本人たちが、自然や動物たちの“言葉”に耳を傾け、分かり合おうと、共存しようと努めてきた証しなのかもしれません。
「さるかに合戦」の猿を人間に例えて、自分ばかりが赤い実を食べ、他の生物たちには青い実を投げ与えてないだろうか? そして「さるかに合戦」の結末は? という考察にはズキンとしてしまいます。 決してお説教臭い本ではないんですけど、わくわく楽しい中に、ふと立ち止まって周りを見渡してみたくなるような、はっと何かに気づかされるような、自然や動植物への澄んだ眼差しが心に残る一冊でした。
(↑ 思いっきり脱線しまくっちゃってマス;;)


おとぎ話の生物学
 −森のキノコはなぜ水玉模様なのか?−

蓮実 香佑
PHPエディターズ・グループ 2007-04 (単行本)
関連作品いろいろ
★★★
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