鏡花恋唄 / 大鷹不二雄
泉鏡花賞35周年を記念して設けられた“特別賞”受賞作品。 タイトルそのものズバリ、鏡花へのオマージュ・・かな。 幻夢譚のような、幽霊譚のような。 思春期の少女の不安定な心がふわふわと浮遊しているみたいな物語でした。
“あとがきにかえて”の中で、著者は本書について“鏡花が登場する幻想の物語”と述べているんだけど、えぇ〜〜っ!何処に登場したんですかぁぁぁぁ〜〜! 状態のわたしって(泣) 一瞬読み直そうかと思ったんですがパワー不足で;; 確かに、足元を照らす提灯の火の中に“鏡花”の文字が浮かび上がる俥屋が、物語の鍵となって存在感を示してはいたのですが・・ で、後で調べてわかりました。 “源氏香”というのは、鏡花が愛用した紋様なんですね。 その俥屋の幌に、源氏香の紋が染め抜かれていることが、確かに象徴的に描かれていました。 ということは、この俥屋の客というのが・・ そういうことですか?? 兎にも角にも、主人公の少女を幽玄の世界へと誘う寓意的な存在として、鏡花のイメージが使われていたようなのです。
めくるめく美しい描写の洪水です。 本来好きなパターンなんですが・・ 書いてるご本人が酔ってしまわれてるというか、頭の中のイメージがダダ漏れな感じなので、振り回されてしまって、ついていくのがシンドイのです。 もう少し抑制を効かせてくれればよかったのに・・ 綺麗な情景も心に留まらずに、さらさらと流れて落ちてしまうようで・・ 毎度毎度の垂れ流し読書感想を棚に上げて言いたい放題です;;
物語的にも掴み処がなく、楽しみ方がよく分からないまま終ってしまいました。 あっ、でも、こういう観念的な作品を上手に楽しめる人もいるのだと思います。 わたしは不向きでしたけども。
あまりにも貧弱な感想なので、以下に内容紹介を添付しておきます。
切子ガラスのランプ、四天王寺さまの夕陽、万灯会…。源氏香の紋が幌に染めてある俥屋の、その提灯のゆらめきに心を揺さぶられる、遊郭の少女お鏡。繊細でいたいけなその生の軌跡を、切なく彩やかに描く書き下ろし幻想小説。


鏡花恋唄
大鷹 不二雄
新人物往来社 2006-10 (単行本)
大鷹不二雄さんの作品いろいろ
| comments(0) | trackbacks(0) |
C O M M E N T








http://favorite-book.jugem.jp/trackback/333