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今昔物語ふぁんたじあ / 杉本苑子
今昔物語のリメイク作品集。16話収録。裏表紙に “地獄と浄土の両極に揺れうごく人間の真の姿を今の世に問いなおす” とあります。今昔物語というと、大らかで素朴で荒削りなイメージですが、平安から鎌倉時代を生きた庶民の喜怒哀楽が、現代人の心にダイレクトに響いてくるような、とってもヒューマンな作品に生まれ変わっていました。思わずしんみり涙ぐんでしまうようなお話が多かったですね。どれも掌篇といっていいくらいの長さなので、手の込んだストーリーというわけではないのだけれど、逆に余分なものが削ぎ落とされている感じがよかったのかなぁ〜。
絶対に元がこんな洗練された美しい話なわけがないので(今昔ごめんね・・そんな今昔がわたしは好きよw)、杉本さんがどんなマジックを使って蘇らせたのか、どれを読んでも興味を掻き立てられました。そういう意味で、やっぱり原典を知っているとより楽しめたかも。
確実に覚えていたのは「峠の道」と「かぶら太郎」の2話だけ。「峠の道」は、有名な平貞盛の怖〜い逸話が下敷きになっていて“機転を働かせて命拾いをしましたとさ”的なお話だったのが、心の葛藤を描く人間ドラマに昇華されていたり、「かぶら太郎」では摩訶不思議な出来事の裏にはこんな人間味のある真実が隠されていました・・といった、元ネタに種明かし的なアレンジが施されていたり。うろ覚えで定かじゃないんですが、いくつかの題材がリミックスされているのもあったような。
一番好きだったのは「猫をこわがる男」。どんでん返しの楽しさと乙女心の切なさが綺麗に融合された秀篇です。あと「毒茸と女」や「釣る」のように、逞しくて機知に富んだ話も好きです。


今昔物語ふぁんたじあ
杉本 苑子
講談社 1978-01 (文庫)
杉本苑子さんの作品いろいろ

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