異国トーキョー漂流記 / 高野秀行
大学時代から冒険部に所属し、世界の辺境を渡り歩いて久しい伝説的貧乏作家(?)の高野さんは、驚異的な語学力の持ち主なんです。本書の中だけでも、在日外国人の素人先生らを捕まえては、フランス語、リンガラ語、スペイン語、中国語、アラビア語の習得にチャレンジして、みるみるモノにしてしまいます。達人w
著者が知り合った東京に暮らす異国人だちの目を通して、いつもと違う東京が見えてくる不思議・・ 東京が“トーキョー”に変わる瞬間の風景をプリズムのように映し出してくれます。高野さんが切り取ってみせてくれる風景やものの見方、感じ方には“発想の転換”的なものが溢れていて、こういう柔軟さって、やっぱり語学の学習能力にも通づるものがあるのだろうなぁ〜なんて硬い頭で感服してしまいます。
日本で“自分探し”に勤しむアンニュイなフランス人シルヴィ、日系(を名乗る)インディアン顔のペルー人ウエキ、マクドナルドが大好きな強面イラク人のアリー、プロ野球ヲタになってしまったスーダンからの盲目の留学生マフディなどなど。非常に愛すべきエキセントリックな異国人たちがそれぞれの思惑で右往左往する姿を見つめる高野さんの視線はべとつかず、突き放さず、軽い自嘲を込めて自らを“国際人”と語りながら、訳知り顔の人生哲学などもなく、ただただ痛快で温かく、そして彼らの在りのままの人間模様が滋味深くて少し切なくて、たまらなく愛おしい。


異国トーキョー漂流記
高野 秀行
集英社 2005-02 (文庫)
関連作品いろいろ
★★★
| comments(0) | trackbacks(1) |
C O M M E N T








http://favorite-book.jugem.jp/trackback/365
【本】異国トーキョー漂流記
異国トーキョー漂流記 (集英社文庫)高野 秀行 集英社 2005-02-18売り上げランキング : 13622Amazonで詳しく見る by G-Tools著者の高野秀行氏についてはもちろん、『幻獣ムベンベを追え』 『巨
| 【@らんだむレビューなう!】 Multi Culture Review Blog | 2011/04/24 |