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異国トーキョー漂流記 / 高野秀行
異国トーキョー漂流記
高野 秀行
集英社 2005-02
(文庫)
★★★

大学時代から冒険部に所属し、世界の辺境を渡り歩いて久しい伝説的貧乏作家(?)の高野さんは、驚異的な語学力の持ち主なんです。 本書の中だけでも、在日外国人の素人先生らを捕まえては、フランス語、リンガラ語、スペイン語、中国語、アラビア語の習得にチャレンジして、みるみるモノにしてしまいます。 達人w
著者が知り合った東京に暮らす異国人だちの目を通して、いつもと違う東京が見えてくる不思議・・ 東京が“トーキョー”に変わる瞬間の風景をプリズムのように映し出してくれます。
高野さんが切り取ってみせてくれる風景やものの見方、感じ方には“発想の転換”的なものが溢れていて、こういう柔軟さって、やっぱり語学の学習能力にも通づるものがあるのだろうなぁ〜なんて硬い頭で感服してしまいます。
日本で“自分探し”に勤しむアンニュイなフランス人シルヴィ、日系(を名乗る)インディアン顔のペルー人ウエキ、マクドナルドが大好きな強面イラク人のアリー、プロ野球ヲタになってしまったスーダンからの盲目の留学生マフディなどなど。
非常に愛すべきエキセントリックな異国人たちが、それぞれの思惑で右往左往する姿を見つめる高野さんの視線は、べとつかず、突き放さず、軽い自嘲を込めて自らを“国際人”と語りながら、訳知り顔の人生哲学などもなく、ただただ痛快で温かく、そして彼らの在りのままの人間模様が滋味深くて少し切なくて、たまらなく愛おしい。
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