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黒い時計の旅 / スティーヴ・エリクソン
[柴田元幸 訳] この作品のストーリーを説明しろと言われても、感想を書けと言われてもわたしには無理。 ただもう、凄い。 筆って凄いなぁ〜と思うばかり。 二重の意味で。 作中の人物が紡ぐポルノグラフィーが作中世界に及ぼす途方もなさに圧倒され、そんな物語を構築せしめるエリクソンの冴えわたる筆の強烈さに度肝を抜かれ。
2つの二十世紀を股に掛けて、史実と幻想が錯綜する中、愛と悪、罪と救済がぶつかり合い、せめぎ合う。 その発散するエネルギーのマグマに呑み込まれていく感じ。 怒涛の疾走感とめくるめくストーリーの螺旋に酔いしれて酩酊状態になりながらも、ラストに導かれる透明感と静寂さが心地よい。 でもそこからまた何かが始まり、何かが続いていく普遍性の予感。
訳者の柴田さんがお書きになっていたけれど“メビウスの輪”を想起させる表と裏の二十世紀の物語なんです。 悪が愛を呑み込み、その悪がまた愛に呑み込まれ、罪を犯し、許され、また罪を犯し・・ なんかもう、人類って時空を彷徨い続ける巡礼者のようではないか。 かなりダークな風合いなのにもかかわらず、不思議と敬虔な祈りに満ちた印象を残す物語だった。


黒い時計の旅
スティーヴ エリクソン
白水社 2005-08 (新書)
関連作品いろいろ
★★★
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