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女王の百年密室 / 森博嗣
百年ほど未来が舞台。 山奥の孤絶した小さな街に迷い込んでしまうミチル。 そこで起こる殺人事件。 密室モノではあるんだけど、トリック云々というより、謎は人の心の中にある・・といった感じだし、犯人は誰かということ以上に、ミチルを覆っていた叙述トリックっぽい仕掛け(?)に最後の最後で気持ちよく驚かされました。 それよりなにより物語の推進力にすっかり持ってかれて、森博嗣さん、これでいっきに大好きモードへとシフトアップです。 面白かったー。
女王が統治するルナティック・シティは、自由で平和で長閑で豊かな街なのに、そんな小奇麗な楽園は、どこかレプリカめいていて落ち着かない。 常世の不自然さっていうのでしょうか・・理想郷ではあっても、紛争や無常観のない世界というのは、悲しいけれど人間にとって決して居心地のいい場所には成り得ないのかもしれません。 死があるからこその生。 対立があるからこその自我。 楽園の中で、ミチルだけが命の炎を燃やしているようで鮮烈でした。
基本はサイバーなSFなので森さんのエンジニアっぽいクリアな実感覚が凄く映える気がしますし、死生観に根差した哲学的思索も随所に散りばめられていて魅了されます。 同時に閉鎖的な村落のタブーを扱ったお話なので、微妙に民話めいた土俗的な陰影を伴っていて、湿度のある暗さも嗅ぎ取ることができ、何ともいえず得難い妙味を醸し出しているのです。
ミチルの相棒のロイディ(旧式のウォーカロン)のファンになってしまいました。 いちいちリアクションがツボ! 可愛い〜! 欲しいw いや、でも、ミチルとのコンビが好き。 B・GとM・Jなる人物にもニヤニヤしてしまいました^^


女王の百年密室
−GOD SAVE THE QUEEN−

森 博嗣
新潮社 2004-01 (文庫)
関連作品いろいろ
★★★
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