我、言挙げす / 宇江佐真理
[副題:髪結い伊三次捕物余話] シリーズ8作目。 全て連作短篇形式で進みながら、緩やかな長編としての時間軸がくっきりしているシリーズなので、読み応えがあります。 もうかれこれ7、8年近く話は進んでるんじゃないかな。 登場人物たちの成長や境遇の移り変わりなど、時にドラマチックに、でも無理なく、ずっと質を落とさずに書き続けて下さってありがとう〜という気持ち。 わたしにとって宇江佐さんは、ちょっと当たり外れが激しい作家さんなんで、時たま糞生意気にも難癖つけてごめんなさいっ><! このシリーズはラヴです。
ここ何作かは、伊三次&お文視点と、龍之進視点と、交互に描かれていくスタイル。 物語も町人ものと武士絡み、また、しっぽりとした夫婦の情愛と青春の輝きとがほどよくミックスされていて多彩です。
なかなか店を持てない伊三次なので、お文も芸者勤めが辞められません。 ちょっとお疲れ気味かしら? 今、宇江佐さんの関心は成長期の龍之進(晴れて番方若同心になりました)に移っているので、伊三次ファン(ってか、お文とのペア萌え)のわたしにとっては、このところ、伊三次の影が薄くなる一方なのが寂しい・・ でもそんな中で、ふっと5話目の「雨後の月」のラストシーンのような、伊三次×お文のしみじみとした極上ワンカットを織り交ぜてくれるから、あ〜もうこれでいっかぁ〜って気分になっちゃう。 この5話目と最終話の「我、言挙げす」が特によかったです。
鉈五郎って、最初はクールで切れ者の印象受けたんだけど、存外可愛げのある俗物なのね。 気立てのよい娘だったのに、結婚してから薄幸な影を纏っているおみつのことも気になります。 大人の階段を上る龍之進は、やはり今回も一番輝いてます。 そしてそして伊与太坊のお喋りにメロメロ〜♪ 伊与太坊だけは大きくならないでくだちゃい。


我、言挙げす −髪結い伊三次捕物余話−
宇江佐 真理
文藝春秋 2008-07 (単行本)
関連作品いろいろ
★★★
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