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あなたに似た人 / ロアルド・ダール
[田村隆一 訳] 1953年刊行、ダールの最高傑作との呼び声も高い大人向け短篇集。 毒と苦みとユーモアと哀愁の絶妙なブレンド。 何かに取りつかれて現実と狂気の間に踏み迷ってしまったような、哀れで滑稽で不気味で禍々しく、世にも痛々な人々を鮮やかに切り取った奇想譚15篇。
心理戦のような束の間の緊迫感、それに、人物の表情や容姿の描写が凄っ! グロテスクなくらい辛辣で容赦ないんだけど、目前に迫ってくるような瑞々しさが、ひときわ生彩を放っている。
わたしが一番好きだったのは、幻聴男の妄想を描いた「音響捕獲機」。 これら作品群の中に混ざると、ちょっと小奇麗でソフトな印象なんだけど、このくらいのテイストが自分には一番合った。 ほんとこれ大好きで、すんごく笑ったし、読み終えた後の少しほろ苦い余韻もよかった。 「韋駄天のフォックスリィ」のようなラスト一行の鮮烈さと皮肉が効きまくった一篇や、「告別」のねっとりとした復讐劇、賭け事へのめり込む暗い情熱が哀しすぎる「南から来た男」もよかった。
紳士、淑女、執事、晩餐会、豪華客船、美食家、画商、ギャンブル・・ 華やかなりし英国の香りと、えもいわれぬ恐怖、泥臭いほどの渋み、シャープでシニカルな機智を堪能。


あなたに似た人
ロアルド ダール
早川書房 1976-04 (文庫)
関連作品いろいろ
★★
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