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神のロジック 人間のマジック / 西澤保彦
アメリカの南部とおぼしき荒野に佇むミステリアスな学園。 正面には、車で昼夜走らなければ隣町に辿り着けない一本道。 裏手には金網越しにワニの潜む沼。
生徒は少年少女6人。 食事の不味さに不平を言ったり、テストの点数によって支給されるお小遣いでジュースやお菓子を買うお楽しみ。
授業の一環として取り入れられているワークショップの課題というのが意味深で、奇妙な出来事を設定し、そのシチュエーションに乗っ取ったストーリーの結末を考えて発表するというもので、設定された事件の関係者1人1人の役を割り振り、生徒たちはその人物に成りきって、その視点から事件を観察するというディスカッション形式の推理ゲーム。 さらに、学園には変化を嫌う“邪悪なモノ”が潜んでいて、新入生がやってくる度に目覚めるというのだか・・
陸の孤島さながらの施設に、何のために幽閉され、共同生活を送っているのか。 生徒たちは誰も真実を知らない。思い思いに仮説を立て、推理を巡らせ、それぞれの固定観念の中に囚われていく。
生徒たちのキラキラとした子供らしさに寄り添う不穏な気配と共に、物語はひたひたと進行し、やがて悲劇の急展開へと雪崩れ込んでいく。
ミステリなので、あまり書けません;; 何かを主観だけで信じきることの究極の怖さを暗示するような作品でした。 これもしゃべり過ぎなんですが。 自己完結できていればそれはそれで幸せなのかもしれないけど、人は社会の中で生きていくしかない生き物なわけで・・ 自分を信じることと相手を受け容れることの間に齟齬が起きた時、どうやってその齟齬にアプローチしたらよいのか。 個人対個人、国家対国家・・人類の永遠の課題なのかもしれません。 主人公との同化が解ける時、世界を鮮やかに反転してみせてくれます。


神のロジック 人間のマジック
西澤 保彦
文藝春秋 2006-09 (文庫)
関連作品いろいろ
★★
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