二つ枕 / 杉浦日向子
遊郭を舞台にした初期の作品が集められている。 遊女と客の何気ないひとコマを切り取った、しっぽりと小粋な短篇集。 芝居がかった戯れの中のささやかな実、他愛もないやり取りから滲みだす一揺らぎの機微。 物語として読んでる感覚ではなくなっちゃう。 江戸吉原の郭の一室のとある風景にそのまま身体が溶け込んでいくような。 ここは江戸なんだなぁ〜って。 日向子さん、江戸に連れてきてくれてありがとう〜ってくらい浸ってた。 等身大の江戸なんて、絶対味わえないわけなんだけど、わたしはやっぱりこの作品の中に、それを感じてしまう気持ちを止められない。 あ〜もぅ、語ることが野暮に思えてくる。 読んで感じて。 それしか言えないです・・ 北方謙三さんの巻末解説もラブリー♪

<余談>
表題作の「二つ枕」は、4短篇のオムニバス形式なんですが、すべて浮世絵風の画線で描かれています。 4作目の「雪野」の線は歌麿っぽいなぁ〜と思って、そこではたと気がついたんですが、作品毎のタッチが微妙に(というか、まるで)違うんです。 無性に気になりだして調べてみたら、それぞれ春信、英泉、国貞、歌麿の画風に準えて描かれているみたい! しかも作品の構成は山東京伝の洒落本「傾城買四十八手」に準えているのだということも知りました! 奥が深い。。。


二つ枕
杉浦 日向子
筑摩書房 1997-12 (文庫)
関連作品いろいろ
★★★★
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