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新アラビア夜話 / ロバート・ルイス・スティーヴンスン
[南条竹則・坂本あおい 訳] 「ジキル博士とハイド氏」や「宝島」の著者の、比較的初期の作品で、ヴィクトリア朝ロンドン(時々パリ)を舞台にした都市綺譚。
ボヘミアのフロリゼル王子が、お忍びで滞在中のロンドンで、奇妙な事件に遭遇するお話。その一部をアラビア人が伝え残したという設定みたいです。中世バクダッドから、近代英国へ舞台を移し、魅惑の物語が再び紡がれる・・といった趣向なのでしょうか。全部を書き記したら本で地球が埋まってしまうらしいので、とっておき(?)の2話(7話の連作短篇集ですが、実際には前半3篇と後半4篇から成る2つの連作中編)が収められています。
ロンド形式っぽい感じで、主人公を変えながらストーリーを転がしていくみたいな展開が楽しかったな。エキセントリックで蠱惑的な“自殺クラブ”と、人を虜にし変貌させてしまう“ラージャのダイヤモンド”の行方に纏わる物語。虚栄心にするするっと入り込んで来る悪魔の囁きにも似た、取り留めのない誘惑や挑発も、どこかスラプスティック小説のような軽快なさの中で、心地よい毒と滑稽味を滲ませます。
繁栄を極めたヴィクトリア朝の、洒脱で優雅な貴族社会の狭間にぽっかり開いた闇のような。刺激に飢えた紳士たちを絡め取る世紀末のデカダンな雰囲気も覗かせながら。ファンタスティックな魔都ロンドンが香ります。
フロリゼル王子は非の打ちどころのない一廉の人物で、作中では、曇りなき讃えられ様なんですが、読者から見ると苦笑したくなるようなところも無きにしも非ずで、でも憎めないみたいな。ちょっと我が国の源氏の君を思い浮かべてしまったわたし^^
何だか幻想小説と間違われそうな感想書いてますが。じゃないです。都市の冒険譚です。でもな〜 雰囲気はやっぱりダークファンタジーなんだよなぁ〜


新アラビア夜話
ロバート ルイス スティーヴンスン
光文社 2007-09 (文庫)
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