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千両花嫁 / 山本兼一
[副題:とびきり屋見立て帖] 開国か攘夷か。佐幕か勤皇か。政情激変の渦中で、国の行く末を懸けて奔走する侍や浪人たち。眼に強い光を宿した漢たちが跋扈する幕末の京の都を舞台に、我が身や家族を守りながら、日々の暮らしに身骨を砕き、逞しく生き抜く庶民の気概がキラリと光る。
三条木屋町に小さな店を構える“とびきり屋”は、なんでも商う町場の道具屋。老舗の茶道具屋の愛娘ゆずと、奉公人の真之介の駆け落ち夫婦が店を切り盛りしながら、商いを通して成長していく連作短篇集。やり取りや筋運びのベタっぽさが擽ったいんだけど、そんな感じも嫌味にはならない楽しく爽快な作品。一話毎に幕末期の有名人がご登場。庶民から見た新選組隊士や勤皇の志士たちの造形が、観相術を絡めたりしながら描かれていてなかなかに新鮮。 自分は二話目の「金蒔絵の蝶」がよかったなぁ。
見立て違いを時々やらかす真之介より、ゆずの方が筋がよく、一枚も二枚も上手だし、大概ゆずの機転で難局を乗り切ったりしていて、ゆずはいったい真之介の何処に惚れたの? と野暮な問いが脳裏に暫く居座っていたんだけど、働き者であること以外、これといった取り柄を描かないのに、読んでいるうちにだんだん真之介に愛着が湧いてくるのがさり気によかった。商いの綾、道具の目利き、贋作に込められた遊び心などなど、京言葉ではんなりと綴られる京商人魂が馥郁と香る。


千両花嫁 −とびきり屋見立帖−
山本 兼一
文藝春秋 2008-05 (単行本)
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