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アイスクリン強し /畠中恵
築地居留地の外国人料理人から菓子作りを習った腕を生かし、西洋菓子店“風琴屋”を開店した皆川真次郎。気心の知れた士族仲間の巡査たちや、マドンナ女学生も巻き込んで、文明開化に沸き立つ巷の厄介事に奔走する日々。
諸事移りゆく世の中に呑み込まれるもの、浮かび上がるもの・・ 洋菓子店主・真次郎の奮闘を軸に、明暗渦巻く帝都・東京で、明るく生きる明治中期の若者たちを映し出す連作集。
街路にはアーク灯が瞬き、鉄道馬車が開通。銀座煉瓦街の賑わい、新聞社の活気、外国人居留地のエキゾティックな景観といった華やぎの一方では、武家の成れの果てである士族たちの零落、貧民窟の困窮、外国から運ばれてくる疫病の蔓延、軍国主義の微かな足音といった暗雲も立ち込める新時代の胎動と混迷を、添景として重くならない程度に咀嚼しつつ、爽やか青春基調で、こぢんまりと読み口よく描いていて悪くはないんです。う〜ん、でもでも。
ストーリーが練り込まれていないし、どの人物の造形も中途半端に感じてしまったし、連作ではあるんだけど、話毎の連携もあまりよろしくありません。それでも舞台背景となる時代の旨味が味方してくれているので、ちょっとズルいかなとも思うけど、そこは畠中さんの作戦勝ちでしょう。でも既に多くの作家さんによって耕されている感は否めない。“スイーツ文明開化”という取っておきの差別化を引っ提げているのに・・勿体ない。全編通して西洋菓子の甘い香りが軽く漂っている程度。洋菓子が綺麗に舞台装置として生かされていた一話目の「チョコレイト甘し」がわたしは一番面白かったかな。


アイスクリン強し
畠中 恵
講談社 2008-10 (単行本)
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