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天使の歩廊 / 中村弦
[副題:ある建築家をめぐる物語] 施主の心を満たすために設計される奇跡的、魔術的な住居。魂の在り処を異空間へシフトさせることによって、安寧と狂気の狭間を揺蕩うような至福に酔いしれさせてくれる終の棲家。そこは設計図の呪縛から解放され、空間や時間の制約から自由になった場所・・ そんな理屈では説明のつかない建物を生みだすことのできる、異端の才能を持った1人の建築家の物語。
明治から昭和初期という、不思議な熱に浮かされた時代背景と、西洋建築が醸し出す美しさ、妖しさとが、とても相性よかったですし、時代を彩るモチーフを丁寧に織り込みながら、多角的な構成で描かれる趣向にも魅力を感じました。 鹿鳴館、凌雲閣、帝国ホテルといった、象徴的な建造物が登場するだけでワクワクしてしまいます。 それだけに・・ 文章が美しくないのが残念だったのと、登場人物に現代人の感覚が投影されている(ように感じた)ので、背景の中で浮いているっぽく映ってしまって、あまり時代の空気を感じることができなかったのです。
天使の存在が不気味な余韻を残しました。人知を超えたものとの契約みたいな。“知的生命体の計り知れない陰謀”的なものをチラッと感じていたわたしって・・orz 天使の存在によって、天才であることに無理くり理由づけをしているみたいで、異能フェチとしてはどうしても興が冷めてしまった・・という部分もありました。
建築×ファンタジーということで、ちょっと期待を膨らませ過ぎていた嫌いもあります。スリップストリーム的な世界を夢見てしまって・・ 勝手に思い描いたお話と違ったからって文句を垂れてすみません。普通に楽しめる作品なのだと思います。
心はスピンオフして、久しぶりに篠田真由美さんの建築探偵シリーズが読みたくなってきました。どこまで読んだか忘れてます。。。


天使の歩廊 −ある建築家をめぐる物語−
中村 弦
新潮社 2008-11 (単行本)
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