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麗しのオルタンス / ジャック・ルーボー
[高橋啓 訳] 平和な街を襲う(?)“金物屋の恐怖”事件の解決にブロニャール警部が乗り出してドタバタムニャムニャ・・ 手の込んだくだらなさ、理知的なバカバカしさに酔いしれました。 メタ小説でアンチミステリで、掟破りに精魂込めてるような作品です。 一筋縄でいかないどころのハナシじゃありませんから。 ニヤニヤ笑いのギミックに、引いては寄せ、寄せては返し、これでもかと弄ばれることを覚悟してw
ポストモダン文学(?)のムーブメントの一形態に属する作品といっていいのだろうか。 近代文学が踏襲してきた財産を惜しげもなく捨て去るような鮮やかさ。 如何せん、笑いのツボがハイクオリティなので、つるんつるんの脳みそを叱咤激励しつつも、地団駄踏みたくなったけど、作品の精神が好きすぎて、読んでいる間、楽しくって幸せでした〜。
舞台は、パリで最も古いといわれる街区であるマレ地区をモデルにしているのだそうです。 溢れんばかりのコージーな味わい、足元へのたおやかな愛着が、いい感じで作品を豊かにしています。 訳者あとがきに著者の紹介文として、世界文学辞典の記述が引用されていたのですが、その中に、“構成と形式の精緻な戯れを中心にした作品の中に繊細な叙情味をみせる”という一文がありました。 だからというわけではないのですが、登場人物の一人であるエウセビオス翁に、なんともいえない愛惜の念を禁じ得なかったことを告白しておきます。
余談だけど、日本の小説界にも“ボルデヴィア公国”のような構想があったらいいのに! いろんな作家さんが参加して、段々成長していくような架空の世界・・ でもあくまで各々の作品のスパイスとしてさり気なく・・みたいなのが。


麗しのオルタンス
ジャック ルーボー
東京創元社 2009-01 (文庫)
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