ギリシア・ローマ神話 / トマス・ブルフィンチ
[副題:付インド・北欧神話][野上弥生子 訳]
お行儀の悪い神々」を読む前に予習してみたくなって、本棚の奥の奥の奥から探し出してみました。大昔に(大って言うな〜)読んでるはずなんですが、がっつり忘れてるので、殆ど新鮮で楽しかったです。生命の萌芽を感じさせる素朴な物語に鋭気を養ってもらった気分。
ブルフィンチの原書が世に送り出されたのは1855年。トロイア遺跡が発掘される前なのですよね? 因みに本書(翻訳本)の序文として夏目漱石からの厚意が送られています。なんか凄いです・・
原書のタイトルは、"The Age of Fable"で、ギリシア・ローマ神話を中心に、インドや北欧神話も含めて総括的に(キリスト教から見た)異教の神々の伝承を解説してるといった感じになるのかな。文章が平易で読み易く、雄壮な叙事詩が体系的に浮かび上がってきます。人名(神名)が覚えられないのがイタイ;; 読んだそばから忘れていくって身も蓋もない(泣) 巻末の索引を確かめつつ、何度も立ち返り、でもそんな行為すら楽しくて。苦にならなかったです!
エロスの矢によって弄ばれてしまうアポロンとダプネの恋物語がお気に入りです。アポロンが出てくる話は殆ど好きなんです。パッと視界が明るくなるような気がして。アポロンに焦がれて向日葵の花になってしまったクリュティエの話も好き。
今回読んでツボだったのは、森のニンフのポモナに恋をした、四季の神のウェルトゥムヌスが、お婆さんの姿に身を変えて彼女の元へ自分をアピールにいくんですけど、その一生懸命さが可愛かったです。“ウェルトゥムヌスは宿無しの神ではありません”とかアピっちゃってて^^ ここ、ウケました。
ヘラクレスやペルセウスの英雄譚あり、“イリアス”のような大スペクタクルあり、“オデュッセイア”のような冒険譚あり、植物や星座の由来など、自然の摂理を解き明かすようなウィットのある物語あり・・ 人間臭い神々の愛と欲望と哀しみとが重層的に響き合った、豊穣な世界観を満喫することができました。


ギリシア・ローマ神話 −付インド・北欧神話−
トマス ブルフィンチ
岩波書店 1978-01 (文庫)
関連作品いろいろ
★★★
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