咲くや、この花 左近の桜 / 長野まゆみ
左近の桜」の続編。早っ♪ 長野さんって速筆多産なのに質が落ちないなぁ。 この雰囲気に慣れたのか、無性に波長が合ってきてしまいました。 わたし好みであるところのお伽噺的な色合いが濃くなってる気はするんですよね。 だから艶めいた描写がより生々しさを失い、陽炎のように淡く儚い刹那の煌めきを迸らせるばかり・・
四季の移り変わりと共に描かれる桜蔵の一年。 武蔵野のひっそりとした住宅街にさざめく鳥や虫や樹木や草花の息遣い、雨音や木漏れ日の戯れは、しめやかでありながら悩ましくも清冽で、肌を伝って浸潤してくるままに身を委ねて無為のひと時を堪能する心地。
高校三年生の桜蔵くん。 相変わらず“招きやすい質”を発揮して、性別の概念が生物学的な縛りから解き放たれて浮遊しているような夢と現の境界で、異形のものたちにあられもないことされまくりなんだけど、どんな色に染め上げられても、どんな刻印を押されても一向汚れない。 すっとぼけたように飄々としたしなやかさ。 この執着のなさたるや・・ あちら側へ引き込まれないための無自覚の極意を身につけちゃってるんですかね。 そしてエンドレス黄金パターンが確立されていくのですw
蠱物 花妖、化生を宿す生き物たちが、小面憎いほどにわたしを直撃。 向日葵の迷路、がらくた市での幻惑、繭の蚊帳に囚われていく光景は忘れ難く、また、望月通陽さんによる表紙のクロツラに微萌え。 弥くんにも微萌えなもので、彼の受験がどうなったのか心配していますw


咲くや、この花 左近の桜
長野 まゆみ
角川グループパブリッシング 2009-03 (単行本)
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★★★★
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