銀座開化事件帖 / 松井今朝子
明治7年から8年の文明開化に沸き立つ銀座の光と影。 風景から室内の小道具に至るまで、生き生きと描きこむ筆力は本物。 ガス灯や人力車や赤レンガや十字架や外来語が、江戸の風情と混ざり合って渾然一体となったり、はたまたチグハグで浮き足立ったりしている街の喧騒が色鮮やかに立ちのぼってくる。 はじめは、そんな街角の様子がシニカルに描かれ、ふふっと笑っていたりしたのだけれど、段々と笑えなくなる。 シリアスな社会派ミステリ張りに・・。産みの苦しみとでもいうのだろうか。 新しい時代の矛盾や混沌は深い歪みとなって、そこに暮らす人々の生活や心情を苛み弄ぶ。 それでも、異人さんとの恋や、身分の差が取っ払われた友情や・・ 新しい風は確かに吹いている。 それら全部ひっくるめて、明治の御世の大きなうねりがズンズンと響いてくる。

<追記>
この作品は「幕末あどれさん」という作品の続編であるらしいことが判明。 あ〜やっても〜た〜;; 独立した作品として楽しめるように作られていたとは思う・・けど、やっぱ緩やかな長編的な要素? あるな。うん。あったわ。 これからお得意の逆さ読みしますわ(>_<*)v


銀座開化事件帖
松井 今朝子
新潮社 2005-02 (単行本)
関連作品いろいろ
★★
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