宵山万華鏡 / 森見登美彦
祇園祭宵山の一夜を廻る物語。 “ぐるぐる回すといろんな形が見える”万華鏡のように彩られていく宵山絵巻。 祭りの非日常性が凝縮されているような、そしてどこか、祭りのソウルを鷲掴みにするようなイマジネーションの世界。
6つの短篇は2つずつペアになり、鏡像関係を描きつつ、それらが少しずつ浸食し合ったり、一見無関係な短篇同士がさらに表裏一体となっていたり・・ チーフさとディープさが混沌と絡み合う。 閉ざされた時空に封じ込められて、やがて向こうの世界とこちらの世界、陰と陽の尻尾を滲ませながら廻り出すような。 なんかふと対極図を思い描きました。
薄暗い水路を泳ぐ金魚の群れのように、赤い浴衣ををひらひらと棚引かせて雑踏をすり抜けていく女の子と、表と裏の宵山を行き来する乙川という不思議な骨董屋が物語の深部に存在し、狂騒の光と闇を乱反射させながら、祭りの奥深くに巣食う得体の知れないエネルギーを燃え立たせます。
絢爛たる空騒ぎと、ノスタルジックな物悲しさ。 燦然と妖しく蔓延する湿った熱気は細い街路にまで染み渡っていて、噎せかえりそうでクラクラしました。 宵山スペクタクルを満喫♪


宵山万華鏡
森見 登美彦
集英社 2009-07 (単行本)
関連作品いろいろ
★★★★
| comments(2) | trackbacks(2) |
C O M M E N T
こんばんは♪
ちょっと騙されてみたくなるような不思議アイテム満載の祝祭劇でした。

京都の大学生に伝わるリアル祇園祭宵山の怪談をひとつ。
サークルや友達など、集団で行くとします。
そうすると、2人ずつ行方知れずになるのです。
男女ひと組ずつというのが相場ですが、2人去り、また2人去り……最後に残る者になるのは、恐いですよね。笑
| 香桑 | 2010/08/04 |

香桑さん、こんばんわ。
わわぁー やはりリアル宵山にもトワイライトな感触がっ!
と、寒がりたいところではありますが・・笑

こらー、大学生〜w
怪談話って実際、いろんな秘め事の隠れ蓑だったりしますもんね^^
これは、なんちゃって百物語系(?)で楽しい楽しい♪
最後に残る者は確かに恐ろしい・・寒過ぎて凍てつくこと必至と思われます。
日常を逸脱したようなランデブーも祭りの情緒ですねぇ。
青春が眩しいなぁ〜。
| susu | 2010/08/04 |









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森見登美彦『宵山万華鏡』
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