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白痴 / フョードル・ドストエフスキー
[木村浩 訳] 青い頃に「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」を読んで以来のドストエフスキー体験。 文豪だとかなんだとか、すっかり頭から抜け落ちて、夢中で物語を貪らずにはいられない神懸かり的なド吸引力を感じてしまいます。
主人公のムイシュキン公爵に“無条件に美しい人間”を投影させた作品。 美しさ(神聖なものと言い換えてもいいだろうか)の本質がここにあるんでしょうね。 諸刃の剣のように周囲の人々の心は掻き乱され、刃は公爵自身に跳ね返り、その様子はまるで滑稽劇さながら。 訳の賜物でもあるのでしょうけれど、ちょっとした台詞回しが素晴らしいのです。 場面場面で弁舌をふるう脇役たちにも乾杯!
金、自由、名誉といった世俗的、人間的な波動と、剥き出しで底無しの汚れなき善意が衝突し、スパークする。 精神的な基盤を持たない主義や思想、新しい世界観の前に苦悩する魂。 現代の入り口に舞い降りた聖者の受難の物語としても読むことができそうで。
“空気を読む”ことを最優先にするうちに、どんどん空っぽになって、気づくことさえできずに暗闇に閉じ込めてしまったもののことを考えて震えました。 祈りの気持ちにも似た法悦に浸るラストです。激震。


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ドストエフスキー
新潮社 1970-12 (文庫)
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★★★★★
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