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おとぎの国の妖精たち / ラフカディオ・ハーン
[副題:小泉八雲怪談集][池田雅之 訳・編] 永遠の女性と妖精。 二つの主題の系譜考という切り口で、ハーンの再話文学の全容を一冊で表現しようという試みの選集。 ハーンの再話の文体の特徴は素朴さと雅趣にあるといいます。 これを最大限に引き出すことに拘ったという訳者。 日本時代の代表的な再話を中心に、エッセイや、アメリカ時代に著した中国の説話など数篇交えた編成。
ハーンの著作の傾向を、生い立ちやトラウマと結び付ける訳者の考察は、若干強引な気もしたんですけど^^; 単純に説話が大好きなので、とっても楽しめました。
情念や煩悩や・・怖い話も全て美に昇華されている印象です。 美しくて優しい話が多かったように思います。 「浦島伝説」でも亀は苛められません。 粗野な人や悪人が殆ど出てこなかったんじゃないかな。 鬼も雪女も幽霊も哀切だったりユーモラスだったりしても悪の匂いはしない。
アニミズム的生命観に支えられたロマン主義をハーンの持ち味と理解していいのかな。 桃源郷、幽玄、輪廻、愛、夢想、精霊、侘寂・・ ここに描かれているハーンの日本は、ほんと穏やかで礼儀正しい“おとぎの国”なのでした。
そういえば、「茶わんの中」が選出されていました。 これは原話が尻切れトンボであるとハーンが解釈してるんですが、赤江瀑さんが「八雲が殺した」の中で反論していた話。 赤江説に感動したことだけは覚えているんだけど、肝心の中身が思い出せないという・・orz
ハーンの再話で有名になった「耳なし芳一」はやはり秀逸。 調べてみたら原典は「臥遊奇談」(一夕散人・天明2年)であるらしい。 「和解」も何度も脳内で再生されている話で、確か「雨月物語」にも似た話が入っていたと思う。 原典は今昔あたりだったかと。 などなど、読んでいると、つい原典のことが気になってしまうんだけど、ハーン自身、口頭伝承で集めた話も多いのだろうし、他と比較して捏ね繰り回すようなことを一切したくないような気持ちにもなってくるんです。 余談だけどこの表紙・・妖精じゃないよね^^;


おとぎの国の妖精たち −小泉八雲怪談集−
ラフカディオ ハーン
社会思想社 1995-09 (文庫)
ラフカディオ・ハーンの作品いろいろ

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