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時の娘 / ジョセフィン・テイ
[小泉喜美子 訳] 薔薇戦争むずかスィ;; 導入部で4ページに渡って紹介されるアンドレ・モーロワの「イギリス史」の抜粋と系図を目にした時は、ヘロヘロの涙目で敵前逃亡を企みかけましたが、本編が始まってみれば大丈夫でした^^
無聊を託ちながら入院生活を送っていたグラント警部は、或る日ふと手に取ったリチャード三世の肖像画に惹きつけられて、歴史探求の旅へと身を滑らせていきます。
シェークスピアの史劇で有名な悪名高きリチャード三世は、王位を手にするために、兄王・エドワード四世の2人の王子をロンドン塔に幽閉して殺害したといわれる薔薇戦争最後のイングランド王。
歴史研究生のアメリカ人青年を助手役に、グラント警部が安楽椅子探偵となって、史書の歪みに切り込んでいく生粋の歴史ミステリです。 文献、史料を突き合わせて矛盾のない真実を掘り起こし、論理的な推理を展開。 手前勝手な飛躍を慎重に避けながら、仕掛けられたトラップを暴き、リチャード三世の汚名を晴らす道のりの御供は、知的興奮に満ちたものでした。
看護婦さんから借りた子供のころの教科書に始まって、徐々に資料のレベルを上げ、それと共に洞察も深まっていくという展開なので、一緒になって学習することができたのが大吉。
真実は史書(意図して書かれたもの)の中には存在しえないという逆説。 テューダー朝が政権を盤石にするためのスケープゴートとしてのリチャード三世像(という仮説)を見事に結実させていたと思います。
この作品が発表された1951年当時の世論は、リチャード三世と言えば紛うかたなき悪逆の代名詞だったようですが、現在のイギリスではどうなっているのでしょうか。 凄く気になります。

<ご参考>
白い猪亭 真実のリチャードを探して
↑ リチャード三世好きによる、リチャード三世好きのためのブログ。素敵♪

あと、Wikiの“薔薇戦争”がコンパクトで参考になりました。
ランカスター&ヨークの王と王妃たちの肖像画が見れます〜♪


時の娘
ジョセフィン テイ
早川書房 1977-06 (文庫)
関連作品いろいろ
★★★
| comments(2) | trackbacks(1) |
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C O M M E N T
susuさん、こんばんは。白い猪亭の秋津羽です。本日は、拙ブログへの御訪問&コメント&TBありがとうございました!貴ブログでの御紹介もありがとうございます。『時の娘』は大好きな作品なので、お好きな方の感想を読めるのは嬉しいです。
私のブログの『時の娘』の記事から、こちらにリンクとTBさせていただきました。もし不都合なことがございましたらおっしゃってくださいね。
| 秋津羽 | 2009/08/10 |

秋津羽さん、こんばんわ。こちらこそ、ご訪問ありがとうございます。
ありゃ。ご感想の記事へTB&コメントお送りできればよかったのに、間違えてしまったようです;; リンク恐縮です。嬉しいです♪

信憑性のある悪王説までは検証されていませんが、なんら物語の魅力を損なうものではないし、何より愛を感じました。勝者の歴史の中で貶められた人物を救済する話は大好きです。
秋津羽さんのご感想を拝見していて、この作品がリチャード三世の名誉挽回に、やはり大きく貢献しているのだとわかって、うるっときそうです。
| susu | 2009/08/11 |









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