夢の狩人 / ニール・ゲイマン
[副題:The sandman][夢枕獏 訳、小野耕世 監訳、天野喜孝 画]
「サンドマン」シリーズの特別企画もので、天野喜孝さんとのコラボが実現した絵物語です。 「もののけ姫」の英語版執筆に際して、日本の歴史や神話の本を読み漁ったというゲイマンが、平安の雅と闇の世界を妖しく美しく織り上げました。
なまめかしさが迸る絵に呑み込まれるように耽読。 聖と頽廃が混沌と香る感じが凄く好みです。
日本の昔話の古い英訳本の中から、サンドマンの世界観に非常に近しいものを感じたという「狐、僧と夢の都」なる一話に着目し、この物語を下敷きに語り直した作品なのだとか。(原典の原典はどの辺りにあるのかしらん? 今昔かなw)
小さな寺の若い僧と美しい雌狐の恋物語に、サンドマンとダークな陰陽師が介在してストーリーが練り込まれています。 異種恋愛譚は悲劇と相場が決まっているので、だいたい話は読めちゃうのですけど、もうそんなことは関係ないですね。
描写のきめ細やかさ、幻想美を浮き立たせる発想のセンス、確かな素養から繰り出されるジャパネスク・ホラーな演出の巧みさ、素晴らしかったです〜。 所々に西洋的モチーフがふと紛れ込んだり、訳が少しぎこちない(わざとなのかなー?)のも不思議と雰囲気を壊さない・・というより平安からほんの少し時空のずれたような独特なポジションが逆に幻夢的でそそられます。
サンドマンは“夢の世界の王”なので、古今東西、あらゆる人々の夢のかたちに合わせて自在に姿を変えることができるし、シリーズ通して様々なアーティストが絵を提供しているといいます。 わたしはコミックを読んでないんですけど、またこうして舞台が変わり絵が変わっても全然違和感ないんじゃないかな? 国や時代を超えて無限に広がりゆく可能性を秘めた要素って、物語の宝だなぁーって思いました。
夢枕獏さんが翻訳を手掛けられているのですが、やはり白羽の矢が立てられちゃったんでしょうかね^^ ご登場するのは晴明や道満とは似ても似つかぬ残念無念な陰陽師なんだけどね;; (道満は黒いけど残念ではない)
でも夢枕に獏が出てきますから・・ふふ。


夢の狩人 −The sandman−
ニール ゲイマン
インターブックス 2000-10 (単行本)
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