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世界の日本人ジョーク集 / 早坂隆
世界で楽しまれている日本や日本人をネタにしたジョーク、小咄の数々について、ルポライターの著者がちょっとした解説や滞在地でのエピソードを交えながら紹介する知的娯楽本。
対象読者となる日本人が読んで、神経を逆撫でされるような不快な部分は慎重に避けられていますし、凄く気を遣ってフォローされていたように感じました。 暇つぶしに手に取って気軽に楽しめる健康的な趣きですので、当然ながら毒は薄め。 この領域は踏み込むとおっかなそうですが、ちょっとヌルめ甘め加減で読み口よく仕上げられています。
必ずしも日本人がオチになってるものばかりではないのですが、“世界の眼”として読むエスニックジョークの数々、様々な国の国民性やその比較が素直に面白かったし興味深かったです。
勤勉、ジョークが通じない、技術立国、お金持ち、曖昧、集団主義、英語下手・・などなど。 日本人の見られ方は概ね想像通り(一昔前的)ですが、こんな風に笑いの材料となって料理されるのかーと、感心しちゃうような出来栄えもちらほら。
日本人落ちで上手いなぁーと思ったのが“死刑執行”。 “豪華客船”は最後のフランス人と日本人の対比が笑えます。 出色なのが“スープの中の蠅”で、どこの国も万遍なくそれぞれ面白いのが凄い。 特にアイルランド人が可愛い過ぎです〜。 “魔法の湖”のベルギー人も〜♪
日本人の几帳面さと引き合いに出されるせいか、ロシア人の粗野な部分が笑いとして起用されてるネタが結構あって、なんと愛すべきオチかと他国の人間としては軽率に和んでしまうんですが、非常にセンシティブなものを孕んでいることを忘れずにいたいし、変な勘違い優越感が自分の中に紛れ込んでたらいやだなと思う。
日本人のモノづくり気質の原点が江戸時代にあるというのが頷けるところでした。資源のない状況下で、知恵と工夫の粋を凝らして国産化社会に対応してのけた気概が、国民性の中に今も培われているのだとしたら嬉しいです。 遺産を食いつぶすだけであってはいけないと、背筋を正したくなるような気持ちにもなりました。
江戸好きのわたしとしてはそんなところにツボっておりましたが、“日本人って悪くないじゃん”って思えるようなポジティブな読後感は万人受けしそうです。


世界の日本人ジョーク集
早坂 隆
中央公論新社 2006-01 (新書)
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