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三悪人 / 田牧大和
用心棒をしながら蕎麦屋の二階を塒に放蕩中の遠山金四郎、無役の普請組だった頃の鳥居耀蔵、寺社奉行時代の水野忠邦。 後に歴史に名を残す若き日の三人の御仁が、目黒祐天寺の火事を契機に繰り広げる知恵比べロマン。
忠邦に付け入って出世の足場を固めようと奸計を巡らす金四郎と耀蔵を同時に手玉にとって弄ぼうとする忠邦・・ 乱暴にいったらこんな構図なんですけど、金四郎は実は男気のある本領を隠し持っていたり、耀蔵は耀蔵で忠邦に対して屈折した憧れを抱いていたりと、ちゃんと後々の布石が敷かれています。
悪といっても三者三様。 忠邦は冷酷で狡猾で、どこか危うい傲慢さを湛えた白皙の美貌の持ち主。 か黒い悪を幽気のように纏っております。 金四郎はイナセで無頼で遊び人風情の野趣があり、粋を絵に描いたような漢っぷり。 同時に抜け目なさを秘めた皮肉屋ですが悪というより正義といった方が通りがよさそうな・・
この御二方の間で、些か軽んじて見られている向きの耀蔵は、まだ掴みどころがなく、一見図太く無神経に見えて鋭い直感を覗かせたり、力に餓えているような末恐ろしさを垣間見せるものの、狛犬の如き異相といい、野暮天さといい、思わぬ人の良さといい、なんともいえない愛嬌を振り撒きます。
それぞれの思惑で優位に立とうとする腹の探り合い、駆け引きの妙味に加え、着想そのものが魅力的なのですが、行動原理が今一つ空回りしているようなしっくり来ないものを感じてしまったのと、ピカレスクになりきれない中途半端な甘さが、わたしにはちょっと馴染めなかったんです。 でも将来像がそのまま思い描けそうな金四郎と忠邦に対して、妖怪変化(笑)する前の、まだ悪を開花させていないウブな耀蔵キャラにプチ萌えました。 こんな耀蔵に出逢えただけでも吉♪ って力の入れどころを間違えてるかもしれません;;


三悪人
田牧 大和
講談社 2009-01 (単行本)
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