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雪だるまの雪子ちゃん / 江國香織
ある吹雪の日、雪ひらに混じって空から降ってきた野生の雪だるまの雪子ちゃんは、雪深い静かな村の外れのごきげんな物置小屋で暮らし始めます。 ちょっぴり怖がり屋さん(野生動物の本能です!)で、頗るおしゃまな雪子ちゃんの他愛ない日々の暮らしの生き生きとした輝きの中には、ほっとするような温もりと凛とした美しさがいっぱい詰まっています。
隣人の百合子さんの家で、そのお友達のたるさんと3人一緒に過ごす夜のひと時、雪と氷をいっぱい入れたたらいの中(指定席!)で、すやすやと寝入ってしまったり、気が向いた時だけ通う小学校のエミラ先生は雪子ちゃんの専用席を用意してくれているし、子供たちと一緒になわとびや雪合戦を初体験したり、覚えたてのひらがなを拾いながら読書(の気分)に浸ってみたり、人間の作った人工雪だるまに驚かされたり、雪ひらのように空を舞う夜更かしのモモンガにシンパシーを感じてみたり、小屋に先住していたねずみたちにビスケットを振舞う気配りをみせたり、休眠中(夏の間は眠って過ごすのです)の雪子ちゃんを心配してそっと覗きに来る百合子さんや、次の目覚めの季節に発見する夏から届けられた贈り物・・
鈍色の空、ひんやりとした月明かり、瑞々しい雪のにおい、凍れる滝、しんと佇む森の樹木・・ 自然界の深遠さと調和し、知らない動物たち(人間という動物も含まれます!)と遭遇しながら、地上に生まれ落ちたことの素晴らしさを小さな体全身で伝えてくれるのです。 生きとし生けるものたちの“今”この瞬間の命が、無性に愛おしくて堪らなくなって、鼻の奥がジンとしてきちゃう。
何気ない会話や小さな仕草のひとつひとつに、江國さんらしい澄まし顔した洗練さが丁寧に織り込まれていて、ハートを擽られまくりでした。 このシーン大好き! の連続です。 単純な“可愛らしさ”だけでは表現しえない山本容子さんの銅版画が、イメージをグンと膨らませてくれます。


雪だるまの雪子ちゃん
江國 香織
偕成社 2009-09 (単行本)
関連作品いろいろ
★★★
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