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まほろ駅前番外地 / 三浦しをん
東京南西部のまほろ市駅前で、多田便利軒を営む多田と行天コンビの共同生活2年目の日々。 彼らを軸に、前作の登場人物や、新たな依頼人など、周辺の人間模様を織り交ぜつつ、若干スピンオフしながらの続編です。
まほろという街の魅力と個性的なキャラたちが描き出す、愉快でじんわりと沁みる日常。 勘所の掴みが上手いですねー。 まさに笑いとペーソスの黄金比。
ただ、非常に面白く読めるんだけど呆気なく忘れそうでもあるのが玉に瑕。 更なる続編の腹案をお持ちと見ましたので、非常に忘れたくないです。 小技が多いだけに、こんまいことを憶えているほどニヤニヤできるのが嬉しくもあり悔しくもあり。
行天の奇行と、それに対する多田のツッコミ的独語とか、何事も考え過ぎる鈍チン性分な多田と、考えなしの野生的直感を閃かせる行天の夫婦漫才なみの珍風景が、相変わらず冴えに冴えていて楽しかった辺りは言うに及ばず、今回、ヤクザな星くんの一人称が覗けてほくそ笑みました。 規則正しく裏街道を邁進するイチローも真っ青なルーチンワークっぷり。 多田と星くんは相方の愚痴(てか自慢)で、飲み明かせそうな気がしてならない。 実は類友じゃねーかよw
昔はちょっとしたまほろ小町だったらしい曽根田のばあちゃんと、行天と啓介(多田のファーストネームですw)との三角関係。 ばあちゃんの甘くほろ苦いロマンスは、“コーヒーの神殿 アポロン”が、“カフェー アポロン”だった時代のお話です。
なけなしの休日を行天に振り回されることになった由良公憐れ。 生意気小学生男子の大人びた切なさや、ちゃんと子供なところや、いい子だね由良公・・ってところが満遍なく伝わってきます。
前作でわたしがツボっていた頑迷な岡老人は、今回、夫人の目を通して描かれていました。 男女や夫婦や家族という言葉を超えてしまった同居人愛のような“とても低音だがしぶとく持続する、静かな祈りにも似た境地”。 長年連れ添った岡夫妻の醸し出す機微が素敵でした。 岡の爺さんと行天の掴み合いの喧嘩が笑える。 おまえらも類友w
ルルとハイシー(&チワワ)も健在。 あと外食チェーン店“キッチンまほろ”グループの社長にして妙齢の未亡人である柏木亜沙子さんが初登場。 訳あって要チェック人物です。 ねっ多田くん♪
野郎2人の引き摺る影の部分を、しをんさんは今後どう料理していくんでしょうか。 行天の闇は深そうで気になります・・ でも、岡夫人には“少年時代よりもいまのほうが、ずっと幸せそうに見える”そうですし、きっと、2年前よりもいまのほうが、ずっと・・ なのではないかしら? だといいなーと願います。
ほとんど次回忘れないための備忘録ですね。 これくらいにしとこか。


まほろ駅前番外地
三浦 しをん
文藝春秋 2009-10 (単行本)
関連作品いろいろ
★★
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