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竜岩石とただならぬ娘 / 勝山海百合
古今の中国や日本の民俗的な土壌を中心に、東南アジアやインドの微風さえ香るアジアン・テイストな怪異譚20篇。
ずっと気にかけていた短篇集でした。 ただ、内容紹介の“中国志怪風”の一語にけつまづいていて(なぜなら知らないからです)、原典に明るくないと楽しめないんじゃ・・と、いつもの悪い癖で悶々としていたのですが、全くの杞憂でしたねぇ。 読み始めたらするすると惹き込まれて、雑念はすっかり霧散していました。
民話調ダークファンタジーの基調を押さえつつも、素材や脚色が多彩です。 どこかで聞いたことがあるような・・的な昔話の素朴さを引き立たせる、さり気ない洗練さ。 民俗的・古典的バックボーンとなる深い素養が創作の淵源にあるのでしょうねぇ。 ご活躍が楽しみな作家さん。
わたしとしては、人の念が絡んだり、暗い叙情が介在する話より、「竜岩石」「山のあやかし」「馬の医者」「媚珠」のような、妖かしや竜や狐が鷹揚と息づくお伽噺風の物語が肌に馴染みました。 もう吸い付く感じ。 フラットでかさついた余韻が逆に滋味深くて・・ 特に『幽』怪談文学賞受賞作の「竜岩石」は、人を喰ったような飄々とした可笑しみを湛えた、なんとも愛嬌のある朗作です。
一方では、陰と陽、湿と乾の風合いが相補的に凝集することで、“東洋的アニミズムの豊かな宇宙観”が陰翳を深めているようでもあり、だからこそ構成としてどの一篇も外せないんじゃないかって気持ちにもなってきたりして。
「猫と万年青」「石に迷う」「竹園」などは、“小説”としての完成度が高く、味わいある作品に仕上げるテクニックを心得ていらっしゃるなぁ〜と思った。 特に「竹園」が好き。 故事の活かされ方なんかにもグッときました。 そして、たった二頁の掌編「白桃村」のなんと美しいこと・・ あとね。 確か「流刑」だったかな。 纏足を広めたのが化けるのに未熟な若い雌狐たちだったって発想にピンポイントで過剰反応^^


竜岩石とただならぬ娘
勝山 海百合
メディアファクトリー 2008-08 (文庫)
関連作品いろいろ

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C O M M E N T
こんにちは。
志怪小説好きには見逃せない作品ですね。
完全にアンテナ外でしたので入手して読んでみようと思います。
『聊斎志異』とか大好きなんですよー。
| 森山樹 | 2010/02/07 |

森山さん、こんばんわ♪
志怪小説には熱い眼差しを向けているものの、
今まで手を伸ばす機会を逸しておりました。
この本で取っ掛かりが出来て喜んでいます^^

原典に無知でも難無く楽しめるんですが、
「聊斎志異」あたりにお詳しいなら、
ビギナーのわたしのセンサーでは感知できなかった小技や機微を
いろいろと味わえる余地が隠されているかもしれませんねぇ。
わたしも早くツワモノになりたいわー ><。
| susu | 2010/02/08 |









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