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死者の書 / ジョナサン・キャロル
[浅羽莢子 訳] 有名な映画俳優だった亡父へのコンプレックスから逃れられない高校教師のトーマスと、稀覯本を扱う書店で運命的な出逢いをするマリオネット作りのサクソニー。 児童作家マーシャル・フランスの熱烈な愛読者カップルは、故人である作家が隠棲していたミズーリ州のゲイレンという田舎町に逗留し、宿願だった伝記の執筆のために作家の実像を求め調査を始めます。 平凡な片田舎の閉鎖的な住民たちは異様に親密で、そして明らかに何かがおかしい・・ 謎めいた共同体の恐怖の真相に迫るダーク・ファンタジー。
正直、読み終えた直後は大したオチには思えなかったんだけど、劇薬並みに皮肉の効いた真っ黒さが、じわーっとやってきた^^; そう理解していいのだとすれば。 ただ、サクソニーの解釈は未だ謎の中・・
それにしても、オチ以外の全て丸投げ感というか、委ねられたものが大きくて消化不良ぎみなのは否めません;; つい、そこに至る必然性や寓意性のようなものを求めてネチネチ思い巡らせたくなる悪癖を発動させてしまった。
実際、創作者と創作物の関係性とか、宿命論的な命題や死生観とか、その辺に何かしらテーマが潜んでそうな気配をムンムン漂わせつつも、掴めそうで掴めず仕舞いなのがもどかしい。
そんな泥臭い詮索なんてどこ吹く風とばかり、しれっと釣れない佇まいなのがかえって後を引くというか、意外と悪くないというか。 恩田作品みたいに一度脳内回路ができてしまうと中毒に侵されそうな危険なタイプかもしれないと思った。
物語の根幹を成す着想もプロセスも素晴らしいんだけど、いかんせん、追従作が多すぎるので損してるかなぁーという気がしないでもなかった。 雰囲気で牽引する力量には掛け値なしに驚倒しました。 ノーマン・ロックウェルの絵のような生活感溢れる軽快な日常をぐにゃりと歪ませる不吉な影、煌めく幸福とカタストロフィのコントラストが圧巻です。 日本語に変換されると、ホットなアメリカンジョーク(?)が空回りしてるのが不憫。 そこは如何ともしがたいんだろうなぁ。


死者の書
ジョナサン キャロル
東京創元社 1988-07 (文庫)
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