セロ弾きのゴーシュ / 宮沢賢治
生前に新聞・雑誌に発表された作品を網羅しつつ、数少ない未発表完成作といわれる「セロ弾きのゴーシュ」を加えて編纂された11篇。 更に「グスコーブドリの伝記」の草稿的作品2篇が付録として収められています。
注文の多い料理店」収録の9篇と合わせて、賢治の意志で公表された童話はこれでもう全部なのですね・・
オールタイムズ・マイベストの「やまなし」を始め、大好きな「雪渡り」と「シグナルとシグナレス」が入ってました♪ 初めて読んだ中では、「北守将軍と三人兄弟の医者」と「朝に就いての童話的構図」というマイ宝石を発掘。
川の底から見上げる透き通った水面に青白く燃える波と、差し零れる月光の揺らぎ。 乳色にけむる霧や露の飛礫、植物の忙しない呼吸音をミクロの眼差しで感受する苔むす林の朝。 木や電柱の肌をかすめる風のそよぎや、銀の百合のように雪の地面に咲く木漏れ日・・
死んだらイーハトーヴに行きたい・・と、ふと思い廻らしている自分がいる。 わたしの中で賢治はもはや宗教のようになっちゃってるのかもしれないんだけれど。 彼の愚直なまでの理想主義は、どこまでも現世の寒村に対してロックオンされていたのだということに、切々と打ちのめされる。
言葉が見つからないんだけれど、社会生活で当然の如くに抑制している自分の中のラディカルな一面がピカッと目覚めてしまう感覚とでもいったらいいのか。 だからわたしは賢治を読むと癒されるというより、熱くなって苦しくなって泣きたくなって、いてもたってもいられないような激しさに突き動かされてしまうらしくて・・やばい。


セロ弾きのゴーシュ
宮沢 賢治
角川書店 1996-05 (文庫)
関連作品いろいろ
★★★★★
| comments(0) | trackbacks(0) |
C O M M E N T








http://favorite-book.jugem.jp/trackback/638