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一葉の口紅 曙のリボン / 群ようこ
決してヒロインのように描いていないので、わたしにはそこが逆に気持ちがよかったし、樋口一葉という明治の一女性の短い生涯を冷静に傍観できたともいえそうな一冊。(感情移入したい人にはあまりお勧めできないかも;;)
自尊心とその裏に張り付く劣等感に苛まれ続けている姿ばかりが印象的。 何をするにも士族であったというプライドがついてまわったようで、そんなもの捨ててしまえば楽だろうに・・と思うのだがそれができないのが明治初期の女性だったんだろうか。 労働蔑視といわれてしまうのも働くことそのものというよりは、サービスを提供するという感覚がどうにも肌に合わなかったのかもしれない。 才能があることと幸せな一生とが必ずしもイコールで結ばれないのは、古今東西周知の事実とはいえ、自らみすみすどん底貧乏に陥って、しなくて済む苦労をしているように見えてしまうのは、やっぱり現代人の発想なのか。
本書の一葉は一貫して小説を書くことを楽しんでいない。 お金のために身を削るように書いている。 金策や他人への嫉妬や慢性の肩こりと頭痛で常に気持ちはいっぱいいっぱい。 作品が評価されても、この程度のものでチヤホヤされて、自分は馬鹿にされているくらいの勢いで憮然としているってどんだけ〜。 でも読み終えるころには、そんな一葉がなんだか少しだけ愛おしくもなった。
でも、薄々は気付いていたが(あとがきによれば)群さんは樋口一葉が好きではないらしい。 ならなんで伝記なんか書く? 今度は一葉を好きな人が書いた一葉を読んでみたい。


一葉の口紅 曙のリボン
群 ようこ
筑摩書房 1999-12 (文庫)
“樋口一葉”関連本
★★
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