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写楽 / 皆川博子
“写楽は誰か?”という史実の探求モノではなく。 皆川博子オリジナルの写楽の物語。 “写楽は芝居を深く見つめた人物に違いない”という、著者の強い想いが羽根を広げ、高く遠く羽ばたいて生まれた物語のようです。 そしてさらに、写楽を世に送り出した江戸の名プロデューサー・蔦屋重三郎の、情熱と眼力と手腕が生き生きと迫ってきます。
遊郭、芝居小屋、戯作、浮世絵と、松平定信が大嫌いなアイテムが勢揃い。 また、写楽、歌麿、北斎はじめ、十返舎一九、曲亭馬琴、山東京伝、鶴屋南北と、化政文化時代のビックネームが気前良く次々と登場してくれる。 けれど全く大味にならず、抑えた筆致の中に切々とした情感が流れているような美しい作品。
やはりこの時代は面白い。 奢侈禁止を打ち出すお上(松平定信)に対して文化を守ろうとする(そんな仰々しい志ではなく、我々の楽しみを奪うな!という気持ちなのだろうけど・・)庶民が涙を呑んだり、抵抗したり、知恵を絞ったりしながら、皮肉にも江戸文化がより深みを増していく様子が小気味いいのかもしれない。 松平定信も、化政文化を彩った立役者の1人のようにさえ思えてきてしまう。
ラストシーンがよかったなぁ。 この先脳裏に焼きついて忘れられない情景となるのではなかろうか。

<後日付記>
2007年11月に大竹直子さんとのコラボで再版されているようです。 わたしはまだ見てないのですが、挿画が非常に気になったりしています。 この本、文庫版が出ていないようなので(何故?)、こちらの興味津々な最新版へリンクしておきます。


写楽
皆川 博子
小池書院 2007-11 (単行本)
関連作品いろいろ
★★★
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